■発刊趣旨とご購入のご案内

　2015年に訪日外国人客が2000万人を突破し、今後も爆発的な伸びを示すかと思われた「インバウンド消費」ですが、2016年春ごろから減速が顕著となっています。また国内消費にも力強さが見られません。

　こうした状況から国内流通大手は次の一手に動き出しています。百貨店は地方の小型店舗を閉鎖し、都心部の大型店舗への集中投資を進めています。日常の衣食住を支えていた総合スーパーも今日の消費ニーズに合わなくなり、大量閉店を進めるとともに、時代のニーズに合った店づくりを追求しています。好調なコンビニエンスストア業界もトップのセブン-イレブンを追撃するべく、ユニー・ファミリーマートホールディングスが発足しました。一方で陰るインバウンド消費で売り上げや集客に苦しんでいる百貨店の影響をダイレクトに受けているのが大手アパレルブランドです。

　大型商業施設も大きな転換期にあるといえます。ショッピングセンターはオーバーストア化により開発案件が減少する一方で、施設の活性化を狙い、改装投資が堅調。レジャー施設、飲食店舗の充実、医療モールを導入するなど、新しい施設づくりを模索しています。小売店鋪も時代のニーズに応える新業態や店づくりを進めています。また各地では宿泊施設の不足に対応するため、ホテル開発が急ピッチで進んでいます。

　まさに新しいニーズが生まれようとしている、踊り場から次のステージへの端境期といえるでしょう。大型開発による新しい街づくり、少子高齢化、ライフスタイル、安心安全や環境、持続可能な街、訪日外国人などといったキーワードを織り込んだ新業態や商業開発、街づくりが始まろうとしています。

　本書は、06年12月に発刊し、読者より好評を頂いている『商業施設計画総覧』の最新版です。新版は5章構成とし、第1章では、17年以降にオープンする大型商業施設や注目エリアの開発動向のほか、小売り企業全体の動向を詳述しています。第2章では、流通業界の企業動向を詳細に紹介するため、18業界・200社の企業戦略に迫り、各企業の動向、方向性をレポートし、分析しています。第3章、第4章では、大型店、SC、市街地再開発ビル、商業ビル、飲食店ビル、シネコン、アミューズメント施設、スポーツクラブ、結婚式場、ホテル、物流施設など、商業施設全般の出店計画を掲載しました。第5章は、関連資料編として大規模小売店舗立地法の新設届け出状況を収録しています。

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■内容構成