電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第83回

クアルコム ジャパン(株) ビジネス開発部長兼広報・マーケティング部長 野崎孝幸氏


QRDでローエンド対応強化
車載プロセッサーへ本格参入

2014/7/25

―― 2014年度上期のビジネス概況は。
クアルコム ジャパン(株) ビジネス開発部長兼広報・マーケティング部長 野崎孝幸氏
 野崎 13年度(12年10月~13年9月)の半導体事業の売上高は前年同期比38%増の167億2000万ドルと高成長を記録した。また、14年度上期(13年10月~14年3月)もスマートフォン(スマホ)を中心としたモバイル機器関連の旺盛な需要は変わっておらず、10.2%増の88億5900万ドルと2桁成長を継続している。
 その牽引役が主力製品であるモバイルプロセッサー「Snapdragon」だ。5月末現在で、85社以上のセットメーカーの1350機種以上(リリース済み製品および発表ベース)に搭載されており、開発中の製品は525機種以上に上る。

―― 今後の製品戦略は。
 野崎 ある調査レポートによると、17年までに3G/4G/LTEの契約件数は、現在の約20億件から34億件にまで拡大すると見込まれている。モバイル端末の契約件数が世界人口の60億を超えたと言われる状況から見ると、依然としてGSMを使用しているユーザーも多く、今後の3G/4G/LTEの伸びは、新興国などにおけるGSMからローエンドスマホへの移行が大きなカギを握る。
 当社では、Snapdragonとしてハイエンド端末に対応する800 / 600シリーズから、メーンストリーム向けの400シリーズ、さらにエントリーレベル向けの200シリーズまでラインアップしており、セットメーカーの多様で幅広いニーズに対応することが可能だ。
 一方、新興国向けローエンド端末を手がけるセットメーカーからは、開発コストの低減、開発期間の短縮、製品の多様な横展開といった要望が多く聞かれる。
 当社では、部品メーカーとの協業によるクアルコム・リファレンス・デザイン(QRD)を以前からご提案しており、今後のローエンドスマホ関連ビジネスのコアになる。すでに40社以上のお客様へQRDを提供し、425製品以上がリリースされている。

―― LTE先進国である日本や米国、韓国市場向けのハイエンドスマホ用製品について。
 野崎 14年下期からサンプル出荷を開始し、15年前半には搭載機種がリリースされると見られるのが「Snapdragon810 / 808」だ。64ビットアーキテクチャーへの対応と大幅な性能強化、さらなる消費電力の低減、そして4Kディスプレーへの対応など、次世代スマホを担うモバイルプロセッサーだ。

―― モバイル端末以外の分野での事業展開は。
 野崎 IoE(Internet of Everything)をキーワードに、幅広い分野での事業展開を視野に入れている。例えば自動車関連では、車載インフォテインメント機器向けプロセッサーとして「Snapdragon 602A」を開発中だ。
 自動車に搭載されるデバイスは、耐久性や品質、信頼性、動作温度範囲、さらには長期の製品供給体制など、一般的なコンシューマー機器向けと大きく異なる。当社では、それらの仕様を考慮しながら602Aを開発しており、今後、車載情報機器向けプロセッサー市場へ本格参入していく。

―― ウエアラブル端末関連のビジネス戦略は。
 野崎 当社は13年にスマートウオッチ「Qualcomm Toq(クアルコム・トーク)」を発表した。これはまさにレファレンスデザインだ。これによってユーザーから様々なフィードバックが得られ、どのようなモデムやプロセッサー、ディスプレーが最適なのか検討材料にすることができる。今後市場が本格化していく際に、それを活かすことができると考えている。


(聞き手・本紙編集部)
(本紙2014年7月23日号1面 掲載)

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