電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第57回

韓国 半導体装置・材料開発に大規模投資


中堅・中小企業も支援

2014/8/8

 2013年に前年割れした韓国の半導体製造装置市場は、この反動と次世代プロセスの拡大によって、14年は大幅に増える見通しだ。ガートナーの資料によると、14年の韓国半導体装置市場(出荷額ベース)は72.9億ドルとなり、前年の58億ドルから大幅に増加すると予測されている。また、15年の市場規模は93.2億ドルへと急増が予測されており、最盛期だった12年の87.8億ドルを凌ぐとみられている(表1)。



上向く韓国半導体装置市場

ジュスンエンジニアリングが提供するCVD
ジュスンエンジニアリングが提供するCVD
 韓国の半導体装置市場が上向く背景には、大手半導体メーカーの微細プロセスの拡大と、3D NAND型フラッシュメモリーの量産など次世代半導体プロセスの構築がある。サムスン電子は2014年5月、中国西安工場の稼働を契機に、3D NANDフラッシュの量産を本格化した。SKハイニックスも14年末ごろから3D NANDフラッシュの量産に踏み切る計画だ。

 また、SEMIが発表した韓国の半導体材料市場の推移をみると、14年の韓国市場の規模は70.5億ドルが予想されている。これは世界市場規模444億ドルの15.8%を占めることになる。また、15年の韓国の半導体材料市場規模は、前年比大幅増の75.9億ドルとなり、全体市場の16.3%を占める見通しだ(表2)。



コア装置・材料開発に500億ウォン投資

 韓国政府は、半導体装置・材料の基礎技術開発を強める。半導体産業の競争力アップのために、政府と業界が基礎技術への投資に踏み切っている。韓国政府(産業通商資源部)と韓国産業技術評価管理院は、サムスン電子、SKハイニックス、オロステクノロジー、ネクスティン、テスの5社と未来半導体素子開発(R&D)に14年から5年間で430億ウォン(43億円)を共同投資する。13年と19年分を含めると総額500億ウォン(約50億円)規模となる。14年から毎年、サムスン電子が7.5億ウォン、SKハイニックスが5億ウォン、産業通商資源部が15億ウォンを分担して拠出し、総額30.5億ウォンを出資する。
 大手半導体メーカー以外で参画するオロステクノロジー(AUROS Technology)は、国産化が難航している半導体計測装置の専業メーカー。ネクスティンは、アクティブ・マトリックス有機発光ダイオード(OLED)基板アレイの測定方式として業界初の新技術を作った会社だ。また、テス(TES)は、半導体前工程装置のCVDを開発し、サムスン電子などに供給している。

7大核心課題を集中的に育成

 また、産業通商資源部は、14年に半導体・ディスプレー分野のR&Dに2030億ウォン(約203億円)を投じる。非メモリー半導体を開発し、グローバル競争力を強める戦略だ。これによって、新規事業を大幅に増やし、中堅・中小企業の競争力を高めるほか、融合技術の開発を積極的に支援する方針だ。

 同部は、韓国半導体産業の現状については、「メモリー偏重のアンバランスな成長と装置・材料分野の脆弱性を克服できず、今後の成長低迷が懸念される」と説明。また、「次世代半導体技術の需要が高まっているが、半導体の基礎研究や人材育成の機能が弱まっている」と評価している。さらに、ディスプレー装置・材料部門においては、「中国市場で熾烈な競争が展開されており、タッチスクリーンは台湾と中国勢が市場を掌握していることから、韓国企業の積極的な市場開拓が不可欠だ」と分析している。

 このような市場環境を踏まえて、同部は、非メモリー半導体の国産化や、半導体・ディスプレー分野のコア装置・材料の国産化率アップなど、7大核心課題に集中的に取り組む。とりわけ、14年の新規プロジェクトとして、半導体・ディスプレー装置・材料を製造する中堅・中小企業に682億ウォン(約68億円)を支援する。グローバルな競争力を持つ大手企業よりは、中堅・中小企業と大学や研究所中心の産業生態系を強化する計画だ。

 したがって、コア装置・材料の開発に向けた数年間の産官共同投資のほか、中堅・中小企業支援の規模などを考えると、14年の1年間に投じられる資金は753億ウォン(約75億円)に達する見通しだ。

半導体産業新聞 ソウル支局長 嚴在漢

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