商業施設新聞
新聞・情報紙誌のご案内出版物のご案内広告掲載のご案内セミナー/イベントのご案内
シェア
Clip to Evernote
このエントリーをはてなブックマークに追加
第494回

サッポロ不動産開発(株) 取締役執行役員 事業開発本部長 佐藤弘人氏


モノづくり原点で喜ばれる街づくりを志向
地域との付き合いを大切に

2015/9/15

サッポロ不動産開発(株) 取締役執行役員 事業開発本部長 佐藤弘人氏
 開業20年を迎えた恵比寿ガーデンプレイス(東京都渋谷区)やサッポロファクトリー(札幌市)など複合施設の開発、運営を行うサッポロ不動産開発(株)。同社は、サッポログループの事業ドメインである「快適空間創造事業」を担い、不動産事業を展開。街づくりを通して「豊かな時間」と「豊かな空間」を育み続け、地域の方々をはじめとするお客様皆様に愛され、喜ばれる施設の開発・運営を標榜している。そこには「食のメーカー」由来のお客様を大切にするというDNAがある。現在は旧サッポロ銀座ビルを建て替える「銀座5丁目再開発計画」を進行中だ。取締役執行役員 事業開発本部長 佐藤弘人氏(=写真)に同社の街づくりの考えなどを聞いた。

―― 貴社の特徴からお願いします。

恵比寿ガーデンプレイス
恵比寿ガーデンプレイス
佐藤 ビール会社発祥の不動産会社ですので、恵比寿ガーデンプレイスやサッポロファクトリーは元々はサッポロビールの工場があった場所で、我々は、これらの工場跡地を再開発し、地域の皆様のご意見、ご協力をいただきながら街づくりを進めてきました。特に、札幌工場跡地である現在のサッポロファクトリーはサッポログループ創業の地。北海道開拓使により1876年に建設された「開拓使麦酒醸造所」に始まるわけで、この開拓者精神はグループのアイデンティティなのです。

 また今日のビール工場は先端技術などの導入により省力化されていますが、かつての恵比寿工場には近隣の方を中心に400~500人が就労し、祖父・父・子の親子三世代が勤務するというのも珍しくなかったようです。加えて、資材などの取引先も地元からというように、我々は地域とともに歩んできました。今日でも恵比寿ガーデンプレイスでは地元との付き合いを大事にしているし、神輿があれば社員を募って担ぎにいったりサンマ祭りの手伝いをしたり、地域との繋がりや結びつきをとても大事にしています。

―― 銀座にはかつて本社もありましたね。

佐藤 東京・銀座はビヤホール発祥の地であり、かつて銀座7丁目の銀座ライオンの裏にサッポログループの本社もありました。あの近辺で飲むことも多く、ビールという商品を扱っていることから料飲店の方々とのお付き合いも深い。我々にとって銀座の街は、ともに歴史を刻み、そして我々を育て、成長させてくれた街でもあります。
 このような背景の中で、地域との繋がり、結びつきを大切にしながら風土に根付いた新しい歴史や文化を創造し、お客様により「豊かな時間」「豊かな空間」を感じていただける街づくりを展開してきました。メーカー的な発想が不動産開発につながっていると言えます。そういう意味では一般的なデベロッパーらしくないといえるかもしれません。ここに来ていただいたお客様に何を喜んでもらったらいいのか、地域の皆様、お客様とともに魅力的な街を創りたい、という想いが強いです。

―― 商業施設以外では地域に根付いた開発事例はほかにありますか。

佐藤 その土地にあったもの、ここにはこういうものがあったらいいのではということを考慮して開発していることも特徴です。昨年竣工した恵比寿ファーストスクエアは、恵比寿橋の近くで、駅から徒歩10分ほどで利便性がよいため、周辺をより元気に、活性化したい、との想いからオフィスにしました。また、恵比寿の街にもっと多くの若者達が訪れて欲しい、との想いから高齢者施設だった建物をリニューアルしシェアハウスにコンバージョンした事例もあります。

―― 新規の案件では、旧サッポロ銀座ビルを建て替える銀座5丁目再開発計画を3月に着工しました。概要や込める思いを教えてください。

佐藤 場所は銀座4丁目交差点の一角。地下2階地上11階延べ7382m²の複合商業施設で、来年夏開業の予定です。色々なものが交わる交流の拠点、そして情報発信の場となることを意識しています。

―― 何かキーワードを挙げるとしたら。

銀座5丁目再開発計画のイメージ
銀座5丁目再開発計画のイメージ
佐藤 銀座は日本を代表するエリアですし、4丁目交差点は銀座の中心です。東京五輪開催以降もインバウンドは増えるでしょう。日本の交流の拠点であり、世界に広がる交流の拠点にしたいと考えています。外観デザインは銀座の街並みや景観、風格との調和を意識し、伝統工芸の持つ美しさを「透かし彫り」の技法をイメージして表現しました。ますます変わりゆく銀座の街の中で、新たなランドマークを目指しています。

―― テナントは。

佐藤 日産自動車、銀座ライオンには引き続き交流の拠点を担っていただく予定です。それ以外にも当社と価値を共有できるところ、一緒に価値を生み出してくれるところと交渉中です。

―― 今後の抱負についてお願いします。

佐藤 ビールは気軽に仲間とのつながりができて、賑わいやコミュニティをつくりだしてくれる。ビールが与える幸せもあるし、役割もあります。ビールは「文化」です。街づくりは直接商品にはなりませんが、「モノづくり」や「ビール・食文化」が生み出す「繋がり」や「成長」を原点にそこでお客様に価値を提供できる街をつくっていきたいです。我々が手がけた「街」や「土地」に集う人たちが繋がり、コミュニティが生まれ、様々な価値を生み出す、そのような街づくりをこれからも進めていきたいです。
 今後もサッポログループ創業の地である「札幌」、ヱビスビール発祥の地である「恵比寿」、日本で最初にビヤホールをオープンした地である「銀座」の3つのエリアを中心に街づくりを展開していきたいと考えています。

(聞き手 編集長・松本顕介)


▼サッポロ不動産開発(株)
〒150-6004 東京都渋谷区恵比寿 4-20-3、恵比寿ガーデンプレイスタワー4階、Tel.03-5423-7104
http://www.sapporo-re.jp/
設立=1988年6月、資本金=20億8000万円、代表者=代表取締役 生駒 俊行氏
サイト内検索