取材兼ランチ代の節約にという思いで、3月19日にJR秋葉原駅高架下で営業している（一社）愛Bリーグ本部の「B-1グランプリ食堂 AKI-OKA CARAVANE」リニューアルオープンの内覧会に参加した。同月26日の北海道新幹線開業を記念しての改装らしく、15品中12品が入れ替わったようである。

　B-1グランプリ食堂 AKI-OKA CARAVANEは、全国で開催されているご当地グルメのお披露目イベント「B-1グランプリ」の公式店で、都内初の常設店として2015年7月にオープンした。ランチは弁当を持参する時以外、ほとんど秋葉原で済ませている自分も、その存在を知らなかった。というのも、「秋葉原UDX」という高層ビルの裏側に位置し、JR秋葉原駅の電気街口から近いわりにあまり人通りが多くない場所なので、存在に気付くことができなかったのだ。また、手前で大々的に営業している日本全国の食の逸品を集めた商業施設「ちゃばら」の存在が目を引くのも気付かなかった要因の1つである。

　今回は北海道新幹線の開業を記念して2回目のリニューアルだそうで、北海道の「釧路ザンタレ」「オホーツク北見塩やきそば」をはじめ、「日田やきそば」「三崎まぐろラーメン」「浜松餃子」「行田ゼリーフライ」「めいほう鶏ちゃん」「郡上奥美濃カレーひっちゃく棒」「鳥取とうふちくわ膳」「駒ヶ根ソースかつ丼」「備後府中焼き」「あかし玉子焼」の12品が新登場。既存のメニューは、北海道のご当地グルメ「なよろ煮込みジンギスカン」「小樽あんかけ焼そば」、千葉県の「勝浦タンタンメン」の3品が残った。

　さすがに15品をすべて食べるのは不可能だったが、多くの品目を試食したところ、量のわりに値段はやや割高だが、味はどれも美味しいと感じた。個人的に鶏肉が好きなこともあり、めいほう鶏ちゃんと釧路ザンタレは、また食べたいと思った。加えて、施設中央には休憩所があり、ブース周辺にもベンチやテーブルが多く設置されているので、よほど混雑していない限り、座りながらゆっくりと食べることができるのも魅力的だ。アルコールを含むドリンクも施設内の2カ所で販売しており、ランチタイムはもちろん仕事帰りにも、ご当地グルメをつまみながらお酒を楽しめそうだ（すでにそのように利用している人は多いと思うが）。

　私はてっきり「秋葉原で全国のご当地グルメを楽しむ場所」だと思っていたが、聞けばコンセプトが全くもって異なるという。「愛Bリーグ」ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会 事務局長の俵慎一氏によると、「ご当地グルメをB-1グランプリ食堂 AKI-OKA CARAVANEでアピールすることで、ご当地グルメに関連する自治体へ訪れる観光客を増やす」という狙いがあるそうだ。現に、休憩所や施設の壁面などには販売しているご当地グルメに関連した地域のパンフレットやポスターなど観光情報が並べられており、ご当地グルメは対象の市町村に足を運んでもらうための布石であることを改めて理解した。
　秋葉原の観光地の1つや、居酒屋の代わりとしてB-1グランプリ食堂 AKI-OKA CARAVANEに訪れるのもいいが、この場所を機にご当地グルメのある市町村に足を運んでみるのもいいだろう。