電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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山陽精工


ギ酸雰囲気下の高温観察装置開発

2017/5/12

 医療機器や精密機器の商品開発から製造までのモノづくりを手がける山陽精工(株)(山梨県大月市猿橋町小沢1435、Tel.0554-22-1036)は、高度な高密度実装技術の要となるはんだ材料などの実装時の挙動をリアルタイムで把握できる装置を開発、発売している。

 特にIGBTモジュールなどのパワーデバイスにおいて、ギ酸雰囲気下によるはんだ材料接合が普及しつつあるが、信頼性が特に要求される車載用途や産業機器向けでは、実装時のボイドレスなどの確立が課題となっている。このため、還元率の高いギ酸を使用するソルダリング技術が本格的に適用されてきている。

 しかし業界では依然、パワー半導体用の実装時のメカニズムを完全に把握しているわけではなく、ボイド発生やフラックス残渣のプロセスの管理が重要となっている。

 既存のギ酸雰囲気下のリフロー炉はリアルタイムのプロセス観察ができないため、同社は高温実装下での挙動を把握できる専用装置として2015年から本格販売している。

 ギ酸の濃度は1~5%までの範囲で任意で観察でき、実装時のはんだの濡れ性や金属酸化膜の除去時の様子をその場でモニタリングできる。脱気タイミングも自由に設定でき、加熱から冷却まで自動で制御できる。

:はんだの濡れ性比較 
はんだの濡れ性比較 

 さらに高温動作が要求される次世代半導体や新製品向けのIGBTモジュールの実装プロセスの確立のため、自在な温度プロファイル管理など最適な条件出しの設定に活用できる。

 同社では専用装置の販売も行っているが、ギ酸雰囲気下観察などのモニタリングサービスの受託事業も並行して行っている。今回の展示会場ブースでは、ギ酸雰囲気下を中心に、濃度や母材の違いなどによる実装特性の比較など、パネル展示も行い、自社製品を積極的にアピールする。

(本紙2017年5月11日号5面 掲載)

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