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東急不動産、都内でシニア住宅「グランクレール世田谷中町」251戸完成


『視覚』配慮など認知症に優しいデザインを随所に導入、一般住宅併設で介護離職防止

2017/5/16

グランクレール世田谷中町の外観
グランクレール世田谷中町の外観
 東急不動産(株)(東京都港区南青山2-6-21、Tel.03-5414-1099)は、東京都世田谷区でシニア住宅「グランクレール世田谷中町」を竣工した。シニア住宅251戸に加え、分譲マンション252戸を併設し、東京都の「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」の第1号案件にあたる。施設は認知症に対応したデザイン、工夫が随所にあるほか、認可保育所も併設しており、多世代にとって住み心地がいい『街』を目指す。

 同事業の整備地は東京都世田谷区中町5-21-6ほか。NTT玉川中町社宅跡地で、敷地面積は約1万坪。高齢者住宅「グランクレール世田谷中町」の規模はRC造り4階建てで、自立型のシニアレジデンスは176戸、介護型のケアレジデンスは75戸、計251戸を設置する。開業はシニアレジデンスが7月、ケアレジデンスは9月を予定する。

 施設内は中央に開放的な中庭、各階に食堂としても使えるデイルームのほか、談話室、居室がある。施設作りで目立つのは認知症に対応したデザインだ。英国スターリング大学認知症サービス開発センター(DSDC)と日本初となる業務提携を行い、「認知症の人にやさしいデザイン」を取り入れた。

床はブラウン、壁面の棚は白など見分けが付きやすくした
床はブラウン、壁面の棚は白など
見分けが付きやすくした
 例えば『視覚』への配慮。認知症に伴う視覚力の低下により、床の素材が暗い色に切り替わると「穴があるのでは」と不安・混乱を招くことがある。そこで床の色のトーンは統一して、スムーズに歩行できるようにした。

 また、こうした傾向を応用して、バックヤード、カードキーのリーダーには壁と同じ色のカバーをして、入居者が気にならないようにした。

 あえて色を分けた工夫もみられる。床やインテリア、手すりなどの色が統一されすぎると、距離感が取りにくいなどのリスクがある。そこで、デイルームなどは家具と床との色は対比させることで安全に過ごせるようにした。

 また、室内のサインは大きく目立つようにし、一目でその場の用途・機能が分かるようにしている。さらに「トイレは黄色い扉」「浴室の手すりは赤」など色を統一する配慮も行った。

(続きは本紙で)

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