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葵鐘会、産婦人科開業10年で5万人誕生、関東・関西や東南アジアを視野


 

2017/8/29

 愛知県・岐阜県で産婦人科クリニック15施設を運営する(医)葵鐘会(愛称ベルネット、山下守理事長、愛知県稲沢市小池4-122)の名古屋オフィス(経営戦略部、名古屋市中区錦2-4-15、Tel.052-265-5741)は、2006年8月1日の最初のクリニック開院から17年6月20日までの11年弱の期間で、出生数が5万13人に達した。

 葵鐘会では16年度、愛知県内における出生数6万4225件の10.4%に当たる6698件、岐阜県内の出生数1万4831件の10.1%に当たる1492件の出生があった。なお、同グループでの出生男女比率は、男児51%、女児49%。1人当たりの出産数は1.63回、最多は1人7回となっている。09年以降減少を続ける愛知県、隣接する岐阜県のお産を支える、テレビ番組になぞらえた「コウノドリ」として、今後も地域の出産医療向上を目指す。あわせて東京圏や関西圏、さらには東南アジアで独自の経営方式によるクリニック運営の展開を目指している。

 葵鐘会は、ハイクォリティでホスピタリティにあふれる優しい産科医療の展開と、最先端の医学研究活動により現代社会に貢献し、グローバルな挑戦を続けることを使命としている。

 同会の前身は、06年8月に診療を開始したセブンベルクリニック(稲沢市小池4122)で、07年12月10日に葵鐘会を設立、クリニック数を増やし、7年余りが経過した13年12月1日までに2万3983人の赤ちゃんを誕生させた。この時点で、グループは、140人以上の医師、助産師160人以上を擁していた。その後もクリニック数を増やすことで、2万3983人からわずか3年7カ月ほどで5万人に到達した。グループの医師は191人、助産師は227人で、年間約8300人の赤ちゃんを誕生させることができる体制となっている。なお、助産師の約30%が日本看護協会に認証されたアドバンス助産師である。アドバンス助産師とは、お産介助100例以上、妊婦健診200例以上、お産期のモニタリングに関する研修修了など16項目をクリアし、日本助産評価機構に認定されたベテラン助産師のこと。

 運営する施設は、セブンベルクリニック(セブンベルクリニック小児科併設)、キャッスルベルクリニック(名古屋市西区天塚町2-1、産科・婦人科・小児科)、フォレストベルクリニック(名古屋市守山区上志段味羽根前600、産科・婦人科・漢方婦人科、女性検診、国際東洋医学センター併設)、フラワーベルARTクリニック(名古屋市千種区覚王山8-70-1)、ロイヤルベルクリニック(名古屋市緑区鳴海町水広下93-195、産科・婦人科・婦人科(不妊治療)・小児科・歯科、ロイヤルベルクリニック不妊センター/ロイヤルベルクリニック小児科/マタニティ歯科併設)、ブライトベルクリニック(愛知県日進市野方町稲荷2、産科・婦人科)、オレンジベルクリニック(愛知県蒲郡市神明町23-21、産科・婦人科・小児科)、エンジェルベルホスピタル/エンジェルベルホスピタル不妊センター/マタニティ歯科(愛知県岡崎市錦町5-1、産科・婦人科・婦人科(不妊治療)・歯科)、フェアリーベルクリニック(愛知県岡崎市中島町鮫田12、産科・婦人科・小児科)、グリーンベルクリニック(豊田市若林東町棚田160-1、産科・婦人科)、グリーンベルARTクリニック(愛知県豊田市喜多町2-160、産科・婦人科〈不妊治療〉)、パークベルクリニック(愛知県豊橋市南松山町153、産科・婦人科・小児科、パークベルクリニック小児科併設)、アルプスベルクリニック(岐阜県高山市山田町310、産科・婦人科)、ローズベルクリニック(岐阜県可児市下恵土野林2975-1、産科・婦人科)の14の産婦人科クリニックに加え、16年12月に協力医療機関のリバーベルクリニック(愛知県豊川市本野ヶ原2-22、産科・婦人科)が加わった。

 さらに、産婦人科医が高齢で退職する中津川市民病院(岐阜県中津川市)の市長の要望を受け、産婦人科医を派遣することで、産婦人科の休止を回避し、診療継続に貢献している。

 葵鐘会グループによると、日本国内における産婦人科医師は、過酷な勤務や訴訟リスクが高いなどの理由で全国的に減少傾向にある。また、10年度から適用された医師臨床研修制度の見直しにより、産婦人科が必修科から外れ、選択必修となったことも産婦人科医不足を加速させている原因と考えている。これに対し、同グループは産婦人科医の減少に起因する過酷な勤務実態を改善するため、出産前後の期間における「周産期医療」で、母体や胎児、新生命に関わる緊急事態が起こる恐れに備えるため189人(常勤56人、非常勤133人)の産婦人科医が1施設あたり2人で24時間常駐し、緊急時には他クリニックからも医師の派遣が可能な体制を整えている。ちなみに、愛知、岐阜両県には、産婦人科医師が787人登録されており、同グループの産婦人科医は24%を占めている。

 さらに、診療と経営を分離することにより、医師の負担を平準化して「医師の働き方の改革」も実践し、母体・胎児・幼児に対する医療サービスの質向上につなげている。

 3施設あるARTクリニックは、体外受精・顕微授精にも対応する不妊治療専門クリニックだ。「テーラーメード医療」をコンセプトに、夫婦の気持ち、インフォームド・チョイスを尊重し、夫婦の自然妊娠力を利用して専門家チームがサポートする。また、高度生殖医療においては、高い培養技術と最先端の機器で患者の希望をかなえるよう支援している。体外受精や顕微授精、配偶子・受精卵凍結融解などの培養操作技術は妊娠率、流産率、さらには出産率に大きな影響を与える。また、現在の社会環境では晩婚化に伴う妊娠率の低下だけでなく、社会的・環境的ストレスが不妊の原因になっていることも多く、そのストレスを和らげることでも改善を図ることができる。ストレスを緩和するため、クリニックでは相談室を設け、カウンセラーが親身になって話を聞くなど安心な環境を整えている。

 葵鐘会では、開院10年で出生数5万人突破を達成できた背景には、同グループが推進する、医師や看護師の労働環境改善とそれに資する医療サービスの質向上が両輪で機能し、地域のネットワークで産婦人科医療を着実に提供できる体制を整えてきた結果であると考えており、その先駆的な経営システム、ビジネスモデルが成功した証といえる。愛知、岐阜両県において、近隣に産婦人科がないエリアはまだ多く存在しているため、要望があればクリニックの開設を検討するとしている。さらに、合計特殊出生率が最低の東京都をはじめとする首都圏や関西の大都市圏などをへの進出を果たし、欧米諸国と比べて低い日本の出生率の向上に貢献したいとしている。施設の開設・運営の形態については、中津川市民病院のように休止する総合病院の産婦人科への医師派遣や院内診療所の開設なども含め、様々な可能性を検討する考えである。

 さらに、ベトナムへの進出を果たし、それを足がかりに、カンボジア、ミャンマー、ラオスといったASEAN諸国からモンゴル、アフリカなど胎児・乳児の死亡率が高い地域で日本式の周産期医療を水平展開する目標である。
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