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車載用「24年に2.2億枚へ拡大」


~「第34回 IHSディスプレイ産業フォーラム」開催(2)~

2018/1/5

シニアディレクター 早瀬宏氏
シニアディレクター 早瀬宏氏
 大手調査会社のIHSマークイットは、2018年1月25日、26日にFPD市場総合セミナー「第34回 IHSディスプレイ産業フォーラム」を東京コンファレンスセンター・品川(東京都港区)で開催する。本稿では、国内最大の受講者数を誇る同フォーラムの内容について、講演アナリストに3回にわたりインタビューする。第2回は「中小型FPD&アプリケーション市場」を担当するシニアディレクターの早瀬宏氏に話を伺った。


 ―― アップルがiPhone Xに有機ELを搭載しました。
 早瀬 年末年始や旧正月の商戦が正念場。フレキシブル有機ELの採用で端末価格が高価なため「消費者にどのくらい受け入れられるか」が試金石になる。販売状況によって、今後の部品需要にどのくらいブレーキを踏むことになるかもまだ見えず、有機EL搭載の成否を判断するには少し時間が必要だ。

 ―― 有機ELメーカー側も混沌としています。
 早瀬 アップルの採用で有機ELへの注目度は高まったが、一方でパネルサプライヤーが現時点でサムスン1社に限定されるというジレンマが起きている。セカンドサプライヤーとして期待されるLGや中国メーカーはフレキシブル有機ELの量産にいまだ苦戦しており、出荷数量は伸びていない。サムスンとの量産技術力のギャップは埋まっておらず、このジレンマがスマートフォン(スマホ)メーカーのパネル選択にどう影響してくるか、はっきりするのは2019年になるのではないか。

 ―― スマホ用が混沌とするなか、車載用は堅調に伸びていますね。
 早瀬 引き続き液晶が圧倒的に強い。当社では、車載用パネルの出荷枚数を16年に1.35億枚、17年は8%増の1.46億枚とみており、これが24年には2.2億枚まで拡大すると予測している。信頼性が最も重視される市場であり、電気自動車(EV)へのシフトに伴ってパネルにも低消費電力化が求められるため、アモルファスシリコン(a-Si)のみならず、低温ポリシリコン(LTPS)への要求も高まっていくとみている。

 ―― 車載用で海外パネルメーカーがシェアを拡大していく可能性は。
 早瀬 スマホ用パネルのように特定メーカーにシェアが集中するのではなく、むしろシェアが分散していくとみている。車載用は、搭載個所や用途、車種によって多種多様で、要求がバラエティーに富むためだ。技術の磨き合いが激しくなるだろう。
 現状では、ジャパンディスプレイ(JDI)など日系メーカーが強く、JDIはa-Siの鳥取工場がフル稼働、LTPSの石川工場でも車載用の生産比率が上昇している。日本に工場を持つパネルメーカーは軒並み車載用で稼働率を高めており、品種が多いため「大型マザーガラス工場を持つ企業が強い」という構図が当てはまらない。長期安定供給が求められることに尻込みする海外パネルメーカーもある。

 ―― 車載用のなかで特に注目している用途は。
 早瀬 ヘッドアップディスプレーが大きく伸びそうだ。すでに軽自動車に標準搭載されるケースが出てくるなど搭載率が上がっている。電子ミラーにも期待しているが、まだコストとパフォーマンスに課題がある。ようやく自動車メーカーがデザインインあるいは搭載の検討に入った段階とみており、本格的な実用は24~25年になるのではないか。だが、もし電子ミラーの本格搭載が想定より早まれば、24年に2.2億枚という予測を1億枚程度上乗せしなければならない。

 ―― 18年の中小型パネル市場の全体像は。
 早瀬 車載用は右肩上がりが続くが、スマホ用はアップルが有機ELシフトを進めるため液晶と有機ELの競争が激化する。非スマホ市場が一段と注目を集める年になるだろう。スマートウオッチ用はパネルサイズが小さいものの、数量は伸びており、市場として定着してきた。AR/VRへの期待も高いが、専用端末よりも、スマホをセットするスロットイン型端末の伸びが大きいとみており、コンテンツやソフトとのソリューション提供が重要になると考えている。

(聞き手・編集長 津村明宏)



 「第34回 IHSディスプレイ産業フォーラム」の詳細情報はセミナー事務局(E-mail : technology.events@ihs.com、Tel.03-6262-1824)まで。
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