電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第289回

泉谷渉の27冊目の著書『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』発刊


~『自動車世界戦争』に続き1カ月で2冊を書く狂気、6月28日に発刊記念セミナー~

2018/6/15

 もはや老人だというのに、それを自覚しない狂気というのは恐ろしいものだ。筆者は階段を上がるだけでぜいぜい言っているというのに、何とこの1カ月間で2冊の本を執筆し発刊に持ち込んだ。

 それにしても先ごろ発刊した26冊目の本『自動車世界戦争』の帯に書かれた文章には参った。そこには「業界最古参・カリスマ記者の徹底取材に基づく400兆円市場の最新動向」としたためてあるのだが、筆者の部下たちはこれを見て、ただせせら笑うばかりであった。なぜなら彼らは筆者のことを決してカリスマ記者とは呼ばず、暴言、放言を繰り返すトランプ記者だと思っているからだ。

トクヤマなど100年企業が林立する山口県の周南ゾーン
トクヤマなど100年企業が林立する
山口県の周南ゾーン
 それはともかく、筆者こと泉谷渉は27冊目となる本『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』を瞬く間に執筆し、6月29日に産業タイムズ社より発刊する(B5判、120ページで定価は8000円+税。購読の申し込みおよび問い合わせは産業タイムズ社販売部TEL.03-5835-5892まで)。日本の老舗企業に対する世界の関心が高まっている。創業100年を超える企業数は我が国ニッポンがダントツであり、世界に冠たる健康長寿とともに、企業もまた長寿なのだ。しかもひたすら伝統を守りながら、旧来の事業に固執することなく最先端のIoT時代を闘うスピリッツと技術を併せ持っているのだから驚きだといってよいだろう。


 100年企業を取材していてつくづく思うことは、押しなべて日本の伝統的な考え方である「和の精神」を打ち出していることだ。1896年10月に設立され今年で122年目を迎えた造船大手、川崎重工業の社歌の一節に次のようなものがある。

 「このあせのあと このあせのあと なみだもひかる このよろこびが このよろこびがなかまをささえる ちからカワサキ ねつのカワサキ こころのカワサキ」

 この社歌の歌詞において最もインパクトを持つくだりは「このよろこびがなかまをささえる」というところだろう。すなわち、「和の精神」を持って働くことが社業を発展させ、その喜びを分かち合える仲間が大切だという考え方が、少なくとも老舗企業にはみなぎっているのだ。

 100年を戦い抜いた企業は、何度となく辛酸を舐め、会社滅亡の危機にさらされながらも、それを乗り越えてきた。「断崖絶壁に立った時に何を考えたのですか」という質問に対し、多くの100年企業は「全員が1つになり戦うことで危機を乗り越えた」と答えている。地べたを這いずりまわるような厳しい状況にあっても、みんなで次のシーズとなる新技術や新製品を考え、ブレークスルーしてきたのだ。

 さて、今回執筆した『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』の章構成は以下のとおりとなっている。

 第1章 2020東京五輪、2025大阪万博に向け100年企業発進
 第2章 IoT時代の半導体産業も100年企業が支える
 第3章 エネルギー産業の新展開に100年企業が貢献
 第4章 成長産業の航空機、鉄道も100年企業が活躍
 第5章 IoTの主役ロボット、センサーは日本の得意ステージ
 第6章 世界に貢献する日本の医療産業も老舗の力が重要
 第7章 食料品、文具などでも100年企業は頑張る
 第8章 世界最強の自動車産業も日本の素材・部品力が支える
 
 なお、この本の発刊を記念して企業100年計画(株)は、6月28日(木)13時半~18時まで特別セミナーを開催する。著者の泉谷渉がロング講演を行うほか、日本電子デバイス産業協会の代表理事である齋藤昇三氏、チノー代表取締役会長の苅谷嵩夫氏、田中貴金属工業の安部尚子氏などが100年企業の現状と未来などについてスピーチを行う。

 懇親会(ビールとおつまみ付き)も開催され、かつこの著書『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』も無料進呈されるという特典がある。会場はKONKO7F(秋葉原駅徒歩7分)、参加費は1万2000円。セミナーに関する問い合わせおよび申し込みは、FAX.03-3371-7036または100@100-nen.comまで。

 日本は世界一の健康長寿大国であるが、企業においても長寿のサプライズであることを徹底取材し、書き上げたものであり、ぜひご一読いただければ幸いである。創業100年を超える日本企業は3万社以上ともいわれており、本書では東芝、日立、田中貴金属、チノー、パナソニック、SCREENセミコン、トクヤマなど100社を超える老舗企業の活躍ぶりを描いている。


泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。30年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 社長。著書には『半導体業界ハンドブック』、『素材は国家なり』(長谷川慶太郎との共著)、『ニッポンの環境エネルギー力』(以上、東洋経済新報 社)、『これが半導体の全貌だ』(かんき出版)、『心から感動する会社』(亜紀書房)など19冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長 企画委員長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。
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