商業施設新聞
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No.416

リンガーハット、幸楽苑に期待


登坂 嘉和

2013/7/9

郊外型を中心に展開する幸楽苑
郊外型を中心に展開する幸楽苑
 中華・ラーメン業界でハイデイ日高と王将フードサービスの快進撃が続く一方で、美味しく低価格のメニューを提供するリンガーハットや幸楽苑の低収益が気にかかる。これら4社は女性から家族連れ、ビジネスマンまで多くの一般客が利用する中華・麺類の店舗を展開しているが、各社の業績は二極化している。当方は、これらの店のミドルユーザーで、その日の気分や体調によって使い分けている。

 餃子の王将は、全国に展開しており、直営とFCを合わせて665店(2013年3月期)を運営している。売上高は743億円(同)で中華業態のトップを走り、営業利益は88億円(同)で利益率は10%を超えるが、原材料費や電気代の上昇で減益傾向が続く。王将は職人による店内調理で、都市部の繁華街では大衆酒場としての需要も取り込んでいることが特徴だ。

 ラーメン日高屋も首都圏を中心に快進撃を続けている。毎年、20店以上を出店し13年2月期末で314店を展開する。売上高は同295億円規模となる。同社も王将と同様に店内調理による料理と居酒屋機能を導入して、昼夜を問わず賑わっている。14年2月期は売上高315億円、営業利益37億円を計画しており、首都圏で600店体制を目指すという。10期連続の最高益を更新中で、餃子の王将と同様、その成長は当面続くものとみられる。

東京・銀座のリンガーハット旗艦店
東京・銀座のリンガーハット旗艦店
 一方、リンガーハットの野菜がたっぷりの「長崎ちゃんぽん」や、会津喜多方ラーメンが源泉にある幸楽苑の「中華そば」も多くの人々から愛されている。長崎ちゃんぽんは、長崎県の家庭で一般的に食べられる「長崎ちゃんめん」と呼ばれるもので、具材もキャベツ、もやし、ネギなどの野菜にイカ、エビ、さつま揚げ、豚肉などを加えて炒めたものとスープ、麺を合わせた料理として親しまれている。また、幸楽苑の中華そばは、独自に開発した多加水麺で、もちもち感があり、醤油のスープとちぢれ麺が良く絡み合うことで旨みを引き出している。

 この2社は500店以上を出店する大手企業だが、収益性で共に苦戦している。デフレ環境下で価格を据え置いてきたことに加え、郊外ロードサイドなどへの大型店出店がコスト増を招いたことが、利益を低下させているようだ。どちらの店も、家族でゆったりと食事ができて、価格もリーズナブルであるため、休日の昼食時はどこも込み合っており、家族連れには最適な食堂だと思う。しかしそれ以外の時間帯は比較的空いている。このため両社は、集客力があり、出店コストが低いショッピングセンターのフードコートへの進出を強めており、一定の成果は上げているという。

 利用者にとって低価格は望ましいことだが、安心・安全で美味しいメニューを提供している両社が事業を継続することも、利用者にとっての利益といえるだろう。マクドナルドは100円バーガーを値上げして、14カ月ぶりに全店売上高がプラスに転じた。身近な首都圏、都市部への店舗展開や、適正価格による競争で、これからも我々の胃袋を満たしてほしいものである。
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