■発刊趣旨とご購入のご案内

　病院計画総覧は、病院の新築や増改築、医療機器整備など“病院に関連する設備投資”を網羅・集大成した、わが国唯一のデータブックとして、1975（昭和50）年以来、定期的に上梓して参りました。2009年版からは全国病院ネットワークの動向や粒子線治療施設などの最新トレンド、2011年版からは躍進著しい主要医療グループの動向などを加え、個別の病院設備投資から、事業主体の戦略や動向までを掲載して内容充実を図り、最新の2015年版では、事業の開始・準備・調査が活発な｢日本の病院・医療の輸出｣の最新動向や、工学院大学副学長の長澤泰氏による国立大学附属病院施設整備の進捗・方向性の講演詳細を巻頭特集に収録しました。
　医療業界は市場拡大から成熟期を迎え、少子高齢化に伴う疾病構造の変化、診療科目や地域による医師の偏在化、国の財政悪化といった環境のなか、厚生労働省は｢税と社会保障の一体改革｣(2025年ビジョン)路線を打ち出して、すでに2012年4月から診療報酬、介護報酬のダブル改定を行い、2014年度からの基金創設による地域包括ケア体制構築を加速するとともに、病床機能の明確化を進めています。
　最新の本書2015年版では、2025年ビジョンを踏まえて、耐震化や地域医療再生、M&Aなどで活発な病院整備の個別データの収録に努めました。5章に収録した個別病院／医療施設／中間施設の計画案件は1200件、個別案件以外にも1章～2章の有力医療グループ、社会医療法人などの施設を合わせた全収載施設数は3000件を超えています。
　また、医学系大学病院、日本赤十字社、徳洲会、国立病院機構、労災病院、社会保険病院の受け皿として創設された、地域医療機能推進機構など11の全国病院ネットワーク団体／組織の現状と施設整備動向に加え、今回の2015年版では急性期医療から慢性期医療、福祉施設、さらには有料老人ホームまで柔軟に展開し、組織を拡大している38の主要医療グループおよび社会医療法人の現状と動向をまとめ、併載しました。
　このほか、新たな治療法として注目のBNCT、国際的な競争力を備えた陽子線および重粒子線がん治療施設、医療技術の向上や医療機器・医薬品の国際競争力アップのための国家戦略特区、総合特区、電力およびガス会社とESCO事業の最新動向、病院用の最先端でユニークな資材・機器・サービスなど医療業界の最新トレンドを盛り込んでおり、本書が読者諸賢の有用な一冊となれば幸甚です。
　本書は、弊社の医療・福祉ビジネスの専門紙である週刊『医療産業情報』の集大成であり、本書収録後の高度先端医療施設、全国病院ネットワーク、主要医療グループ／中核病院、個別病院計画の各動向、公立病院の経営改革／再生の進展状況、病院ローコストソリューション、医療制度の改定といった最新ニュースは、この『医療産業情報』紙上において逐一フォローアップして参ります。本書のデータを更新できる有効なツールとして、併せて速報紙『医療産業情報』のご購読をお勧めする次第でございます。

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■内容構成