商業施設新聞
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第495回

ジェイアール東日本商業開発(株) 代表取締役社長 高橋好一氏


駅ビル「グランデュオ」展開
“日常使い”をより明確化

2015/9/24

ジェイアール東日本商業開発(株) 代表取締役社長 高橋好一氏
 ジェイアール東日本商業開発(株)は、東京・立川駅と蒲田駅で商業施設「グランデュオ」を展開している。日常使いの駅ビルと百貨店を融合した独自の店づくりが特徴だ。施設の現在の動向、今後の展開などを同社代表取締役社長の高橋好一氏(=写真)に聞いた。

―― 立川店の概要から。

高橋 グランデュオ立川は1999年に開業しました。現在の店舗数は約200店で、売り場面積は2万6700m²です。店のコンセプトは「イコールライフ・エンターテイメントストア」で、普段使いの中でもやや非日常的な楽しみを提供しています。
 来店者は1日3万人ほどおり、ターゲットは30~40代が中心となります。立川駅はJR各線やモノレールが交差する、東京西部地区の交通の要衝であり、乗降客数も日本有数です。立川市の人口は18万人ほどですが、商圏は乗降客の居住地域を網羅し、八王子・青梅・国分寺・多摩までにわたる100万人規模となります。

―― 駅直結の改札があり駅ビルかと思えば、店内は百貨店らしさがあります。

高橋 当社は阪急百貨店との合弁会社であり、情報・人材双方の側面で交流しています。
 グランデュオの強みは軸足を百貨店に置いていることですね。駅ビルに求められる利便性やデイリー性、買い回り性、エンターテインメント性の各種要素を追求しながら、全体としては百貨店の統一感やサービスの快適さを印象付けています。

―― 駅ビルと百貨店の良い所を合わせたような形ですね。

高橋 そうです。99年に我々がグランデュオを開発するとき、すでに北側にルミネがあり、駅ビルとしては日本トップクラスの売上高を誇っていました。一方、このプロジェクトはご縁があって阪急百貨店に出資していただくことになり、当時、阪急百貨店は斬新な業態開発を手がけていたこともあり、普通の駅ビル、百貨店とは違った店ができるのではないかと考え、検討を重ねた結果、百貨店と駅ビルの良い所を合わせた業態となりました。

―― 立川駅周辺には多くの商業施設があります。

高橋 開業計画の当初から、立川駅にはルミネ、伊勢丹、高島屋など競合が存在していました。こういった環境では店のポジションを明確化しなければなりません。
 伊勢丹と高島屋は比較的年齢の高い方を中心に支持されています。また、立川駅構内にも商業施設はいくつかありますが、ルミネは若い顧客層を中心に支持があり、エキュートは比較的上質な食料品が多いです。我々は毎日購入できる価格帯の食料品やターゲットに合わせた衣料品、雑貨などを展開し、ファッションだけでなく日常生活をより豊かに楽しめる商品が揃う店を目指しています。

―― 立川駅周辺は新たな開発も盛んです。

高橋 都内でこれほど開発が盛んなエリアも珍しいですよね。しかも開発余地がさらに存在します。立川駅から少し北に行けば、かつての飛行場跡地が広がっていますし、今後も開発があるかもしれません。
 ただ、この近辺はマーケットが非常に大きいんです。先ほど申したように商圏は100万人規模です。長期的には人口が減っていくでしょうが、JR立川駅の利用者は減っていません。これはJRの努力もあるでしょうし、グランデュオの強みとも言えます。

―― グランデュオ立川の状況は。

高橋 競合が増えていますが客数は変わっておらず、食品・飲食や雑貨フロアなどが好調です。立川駅周辺には次々に広域型ショピングセンターが増えており、今後もオープンする予定です。我々は強みをより打ち出すために、MD構成の見直しをしていかなければなりません。

―― 蒲田駅ではグランデュオ蒲田を運営しています。

高橋 グランデュオ蒲田は2008年に旧駅ビルをリニューアルする形で開業しました。売り場面積は1万8306m²です。この店も当社の百貨店、駅ビルという2つの性質が活きている施設です。
 というのも、蒲田駅周辺はそもそも人口密度が高い上に多様な属性の人が存在します。JR蒲田駅西側は、東急沿線住民が多く、古くから居住していて、高所得の方も多いです。東側は、町工場跡地にマンションが次々にできており、ファミリー層が増えています。
 開業当時、JR東日本グループ内でこの幅広いマーケットを掘り起こせるのはグランデュオだろうと、当社に白羽の矢が立ちました。

―― 同施設のリーシングについて。

高橋 西館はそのような顧客層に対して「わざわざ銀座や日本橋に行かなくても買える」「手の届く上質感」をコンセプトにしており、シャネルの化粧品など高級ブランドも出店しています。
 東館は都市生活において利便性を感じてもらえるような店作りを目指しており、駅ビル立地に強いファッション雑貨や、ファストファッションなどがあります。
 東館、西館ともに食料品、飲食店、書店などデイリーに必要な商材を揃えていますが、東西商圏の属性に合わせてコンセプトを分けており、MD全体として支持されています。

―― 隣には東急プラザがあります。

高橋 グランデュオ蒲田とは各フロアでつながっていますが、競合にはなっておらず、むしろ共存できています。ハード上の一体感が回遊を生み出していると言えます。
 14年に東急プラザはリニューアルしましたが、少し若い方向けのテナントが増えたようです。そのため、これまで東急プラザを利用していたやや年齢層の高い顧客層が当店を訪れるようになったケースも顕著ですね。

―― 今後について。

高橋 蒲田駅は、駅や周辺を流動する人が非常に多いですが、まだグランデュオを使ったことがない人は多いと考えています。駅周辺にいる人のニーズをもっと分析しないといけません。
 このほか蒲田駅は羽田空港から一番近いJR駅であり、東京オリンピックに向けて様々な計画が活発化してくると考えています。今後の動きを注視したいですね。また、品川駅周辺で大規模な開発を行う予定で、蒲田エリアとどう関連していくかも注目しています。

(聞き手・副編集長 高橋直也)


▼ジェイアール東日本商業開発(株)
〒190-8554 東京都立川市柴崎町3-2-1、Tel.042-540-2111
設立=1997年、資本金=11億4000万円、代表者=代表取締役社長 高橋好一氏
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