商業施設新聞
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No.581

ひつまぶし体験記


今村 香里

2016/11/8

 関西圏から名古屋へは、新幹線で新大阪駅から約50分、京都駅から約35分で行ける。この手軽さを利用して、とある週末に名古屋の郷土料理といわれている“ひつまぶし”を女友達と2人で食べに行った。

 実は、ひつまぶしを食べるのは初めてである。名古屋に出張に行っても、ひつまぶしは高いというイメージだったので、一人で食べる気にならなかった。対する友人は、鰻が大好物らしく、ひつまぶし経験の上級者だ。

 私たちが向かったのは、地下鉄鶴舞線の浄心駅近くにある「しら河 浄心本店」。実はこの後に予定していたイベント会場の道中だったことと、駅から近いという点で選んだのだが、とても有名な店だった。商業施設新聞の記者として知らなかったことが恥ずかしい。

「しら河 浄心本店」で食べたひつまぶし
「しら河 浄心本店」で食べたひつまぶし
 お店に到着した時間がベストタイミングだったのか、想定していたほど待たずに席に通された。友人に食べ方を説明してもらいながら、写真を撮り合い、ひつまぶしのセットを食べる。味の変化を楽しむのが、ひつまぶしの醍醐味だが、やはり最後のお茶漬けが一番おいしく、特に出汁が気に入った。しら河のひつまぶしは、全体的にやさしくて上品な味わい…という感想だ。

 お店の人も気さくで優しかった。印象に残ったのは、店をすでに出て歩いていた私たちにまで、「ありがとうございました」と、買い出し戻りかなにかで道ですれ違ったスタッフが声をかけてくれた場面。「美味しかったです、ごちそうさまでした」と返したが、そんな何気ないやりとりが心を温かくさせてくれ、とても良い思い出になった。

 そして、夕方の早い時間に名古屋駅に戻り、お土産を買うべく、「ジェイアール名古屋高島屋」の地下の食品フロアに足を運ぶと、大勢の人でかなり賑わっていた。色々買ったが、最後に思い返して、ひつまぶしを買って帰ろうと考え、ひつまぶしのお土産がどこにあるかスタッフに尋ねると、「しら河」だけが出店していた。別の店のものでも良かったのだが、今日味わったものを説明できるし、丁度いいと思い購入した。百貨店の食品売り場に出店しているということも知らなかった自分に呆れてしまう…。しかし、今回のプライベートの旅で、以前よりも名古屋の地理や名店がハッキリ分かるようになったので良い収穫だったのではなかろうか。

 一方、名古屋駅では、JRゲートタワーが誕生しており、11月にはオフィス部分が供用開始した。2017年4月には、目玉となる「タカシマヤゲートタワーモール」がオープンする予定で、どんな店が出店するのか今から楽しみだ。

 帰りの新幹線では、しら河の本店でも購入できたであろう鰻のお菓子を2人でほおばりながら家路についた。
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