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復華中日医療健康産業基地 董事長 楊暁軍氏


中国・上海市に健康診断、リハビリセンター、高齢者施設を開業
日本の医療設備企業の進出サポート、日本の医療法人「弘善会」と提携

2017/12/19

薫事長の楊暁軍氏
薫事長の楊暁軍氏
 中国・上海市の復旦大学グループは日本の医療法人「弘善会」グループと提携し、上海市嘉定区に日本の進んだ医療・健康技術を導入するリハビリ・介護センターを開業する。その中日医療健康産業基地プロジェクトを取り仕切る上海復華商業集団有限公司 董事長の楊暁軍氏に同プロジェクトについて伺った。


―― 復旦大学の医療関連プロジェクトについて。
 楊 上海の名門大学の復旦大学は、グループ内で上海市内の10カ所に大学病院を経営している。今後の高齢化社会の到来や市民の健康意識の高まりに応えるため、嘉定区に日本の検診技術を導入した健康診断やリハビリなどを専門とする「中日医療健康産業基地」(連絡先=上海市嘉定区城北路1585号1号楼12楼、Tel.+86-21-5582-8288)を設立した。
 復旦大学グループは2003年、グループ内の上海復華商業集団有限公司の傘下に上海復華軟件産業発展有限公司を設立した。10年ごろから日本など海外の医療・健康施設を視察して回り、17年に日本の医療関連技術を専門的に導入するコンセプトの「中日医療健康産業基地」を設立した。

―― 「中日医療健康産業基地」について。
 楊 17年2月に上海市の北西に位置する嘉定区政府から批准を受け、「中日医療健康産業基地」を設立した。同施設は嘉定区の軽軌道鉄道の嘉定北駅から約5km(車で9分)、上海市中心部に近い虹橋国際空港から約35kmの距離にある。
 約24.5万m²の広大な敷地に、高所得者向けの高齢者施設(ベッド数約150床を想定)や検診センター、リハビリセンター、医療設備メーカー向けの賃貸事務所などの開業を予定している。これらの建設のためにすでに敷地の19.7万m²を使用済み。すでに約15億元(約245億円)を投資し、建設工事の大半を完了させた。
 高齢者施設と検診センター、リハビリセンターの建築面積は計2.6万m²に及び、18年4月に開業を予定している。

―― 日本の医療技術の導入予定について。
 楊 上海復華商業集団有限公司は7月21日、日本の医療法人「弘善会」グループと提携関係を結んだ。弘善会は18年4月に開業予定の「中日医療健康産業基地」の脳神経外科や整骨科のリハビリセンターや高齢者施設、健診センターなどに技術指導を行う。
 中国でも高齢化は深刻な問題となっている。また、日本のようにPT(理学療法士)やOT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)などの特別な資格が整備されていないため、充実したリハビリサービスもまだ不足している。「中日医療健康産業基地」は医療・介護の一体化を実践する弘善会グループからこれらの技術指導を受けることで、手術後の患者や高齢者のリハビリを充実させていく考えだ。日本式の技術を導入するリハビリセンターは上海エリアでここが初めてとなる。また、リハビリだけでなく介護技術の指導を受けることも検討している。高齢者施設のプランについては弘善会と計画の詳細を詰めている。

―― 医療設備メーカー向け事務所賃貸について。
中日医療健康産業基地(科創ビル)
中日医療健康産業基地(科創ビル)
 楊 「中日医療健康産業基地」の敷地内に賃貸用事務所棟を用意した。最終的に日本企業300社、中国企業200社の進出受け入れを目標としている。まずは日本の医療・健康器具メーカーを誘致する考えで、すでに十数社と進出の交渉をしている。
 「中日医療健康産業基地」に併設されるリハビリセンターや高齢者施設で医療・健康機器の実用データを容易に収集することできるのがメリットだ。医療ベッドや車椅子、介護入浴機器、各種測定器、ウエアラブル機器など多方面の医療・健康器具メーカーなど多方面のテナント入居をお待ちしている。
 進出企業は賃貸オフィスを事務所運営に利用したり、トレーニングセンターとして利用することもできる。事務所棟は内壁の少ない構造で造られているので、簡単な組み立てライン、メンテナンスや技術サービスなどの拠点としても利用できる。

―― 今後の展望について。
 楊 先日、上海市から「中日医療健康産業基金」の批准を受けた。このファンドの運用枠は1000億元(約1兆6468億円)が予定され、ここに進出してくる企業に対して、事業資金を融資支援するのにも利用できる。
 また、検診センターやリハビリセンター、高齢者施設の運営を軌道に乗せた後は、美容整形や審美歯科治療などの事業展開も検討している。この分野はまだ技術パートナーが決まっているわけではないが、高所得者層にターゲットを絞ったサービス内容を拡充していく方針だ。
 日本の企業の進出サポートについては、上海復華商業集団の顧問役も務めるグリーンプラネッツ(大阪府高槻市)代表取締役社長の奥野敦史氏から多大な協力を受けている。奥野氏は半導体やLEDなどの電子産業や最先端材料、医療関連の業界に多くの人脈を有し、日本の医療関連企業の中日医療健康産業基地への進出に大きく貢献すると期待している。

―― 上海の高齢化の現状について。
中日医療健康産業基地の夜景イメージ図
中日医療健康産業基地の夜景イメージ図
 楊 上海市の常住人口は約2420万人。戸籍人口ベースではすでに高齢者率は31%に到達し、50年には日本を超える約45%に達すると予測される。高齢化施設の拡充は喫緊の課題となっている。
 また、高所得者層の中には中国でなかなか受診できないハイレベルの健康診断を海外の医療機関に受けに行く人が増えている。日本の進んだ医療・健康技術を導入した検診センターやリハビリセンターが中国国内にあれば、わざわざ海外に行く必要がなくなる。我々は日本の医療技術やホスピタリティーの高さを学び、中国で求められている新たな医療サービスを提供していきたい。
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