商業施設新聞
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No.878

漢方エキスポの山清郡を訪れて


嚴在漢

2022/10/18

 「世界漢方見本市の2023山清(サンチョン)エキスポを成功させ、漢方・抗老化産業をリードする韓国における漢方・抗老化のメッカを目指す」。こう語るのは、22年7月、第47代山清郡守(日本の町長にあたる役職)に就任した李承和(イ・スンファ)氏である。山清郡はソウルから南西方面に高速バスで3時間程度の場所。山清の大半は、智異山(海抜1915m)の山稜に囲まれており、人口は3万4000人強。地名で分かるように、同地は清らかな空気で高低の山々が連なっている地域だ。

22年7月、第47代山清郡守に就任した李承和氏
22年7月、第47代山清郡守に就任した李承和氏
 このような自然環境を活かした地域おこしとして山清郡は、13年に「2013山清世界伝統医薬エキスポ」を開催した。45日間の会期で総数200万人強が来場したという。これに対する経済的な波及効果は5177億ウォン(約528億円)と推計し、4135人の雇用創出ができたとしている。

 こうした成功もあって、23年9月15日~10月19日の35日間、「2023山清世界伝統医学抗老化エキスポ」を開催する予定だ。総額123億ウォン(約12.7億円)の予算を投じる同エキスポは、山清郡東医宝鑑村(メーンイベント場)と漢方医療クラスター(サブイベント場)に分けて行われる。東医宝鑑村ではパビリオンと漢方薬博物館、休養林を利用し、「世界の場」「科学の場」「産業の場」などで構成する。漢方医療クラスターでは漢方医学セミナーをはじめ、薬草売り場や新恵民署(朝鮮時代の無料保健所を再現)などを設ける計画だ。

 李郡守は「2023エキスポは、イベントやコンベンションなど65のプログラムがあり、30カ国から120万人の来場者を見込んでいる」と胸を膨らませる。李郡守は、1956年に山清で生まれ、ここで育った生粋の山清人である。山清郡農協社外理事や慶尚南道議員、山清郡議員などを経て現職に至る。地元の建設業で成功した李郡守は、優しい心構えで郡政を施すことから、山清郡民からも高い評価を得ている。
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