商業施設新聞
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No.912

洋服を肥料に、エコが進化


若山智令

2023/7/4

 衣類を肥料に変え、その肥料を使って野菜を育てることでファッション業界の廃棄問題に貢献する――。そんな魔法のような循環システム「サーキュラーファーム」を行っているのが(株)クレサヴァだ。同社は独自の手法でこの循環システムを構築し、社会問題の解決を目指す。そしてこの一連の取り組みを体験できるのが「サーキュラーファームミュージアム」で、東急プラザ銀座に7月末までの期間限定でオープンしている。

 サーキュラーファームは、廃棄される予定の衣類をクレサヴァの独自テクノロジーで肥料化、肥料として土に還しながら、その肥料を使用して野菜を育てることで循環させるもの。昨今のキーワードになっている“サステナブル”“リサイクル”“エコ”などに対応した取り組み・仕組みだ。クレサヴァはこの衣類を肥料にする独自のテクノロジーを開発。加えて京都・南丹市に自社農園も持っていて、サーキュラーファームに関わる大半の部分を自社で行える。

 クレサヴァが開発したのは、衣類を破砕→粉砕→発酵→ペレット化の4つのステップで肥料に変えていくシステム。なかでも注目なのは、コットン、ウールなどの天然繊維のほか、ポリエステルなどの化学繊維もまとめて破砕できること。こうしてできた肥料を土に還し、野菜を育てている。

銀座のサーキュラーファームミュージアム
銀座のサーキュラーファームミュージアム
 東急プラザ銀座に出店したサーキュラーファームミュージアムは、約400坪の広大なスペースに、“学び・体験・実践”をコンセプトとしたブース、ショップスペースを設置し、さらにはレストラン&バーを併設。各ブースにはサーキュラーファームの仕組みが説明されていて一通り見れば理解がさらに深まる。また、鉢に土とペレットを入れて野菜の種をまく体験コーナーや、京都の野菜などの食品、調味料などを販売するマルシェも導入。加えて衣料回収コーナーもあり、会員登録すると持ち込み重量に応じてポイントがもらえ、店舗内やオンラインストアで使用できる。

 また、この仕組みを広めるべく6月8日には千葉県木更津市の「KISARAZU CONCEPT STORE」に「CIRCULAR FARM Lab.」を開業。ここでも衣類から肥料を作り、野菜を育む過程が学べる体験ブースや、CIRCULAR FARMの京都・美山の農園から届く野菜のマルシェも開催するなど積極的な取り組みを続け、発信している。

 ファッション業界における大量生産・大量消費は、年間約51万tもの衣類の廃棄をもたらすと言われているそうだ。クレサヴァはこうした洋服の廃棄問題解決を目指し、この取り組みを進化させていく。
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