■発刊趣旨とご購入のご案内

　2015年の世界の電子デバイス市場は約58兆円規模。このうち、半導体市場は約35兆5000億円で、残り約22兆5000億円が受動部品や接続部品、変換部品などから構成される電子部品市場です。日系メーカーが占める割合は、半導体は残念ながら10％程度の3兆円規模。しかしながら、電子部品市場に関しては、約38％に相当する8兆5000億円の市場を日本陣営が制しています。いまや国内の電子デバイス業界におけるリーディング産業は、電子部品産業と明言しても過言ではないでしょう。しかし、中国、台湾、韓国といったアジア勢が、世界市場シェア30％の勢いで、日系メーカーを猛追してきています。日本勢とアジア勢の市場シェアの差は約10％。日本陣営はこの10％の差を死守しなければなりません。

　本書は、日本電子部品業界の動きを、2015年のトピックスを主軸に様々な視点からまとめたものです。

　第1章は総論として、日本電子部品業界を取り巻くビジネス環境を俯瞰。また、アナリストの視点から、業界が今後、進むべき方向性も示唆しています。第2章は、電子部品の市場動向として、スマホや車載のアプリとともに、主要電子部品の動きを探りました。第3章では、最近の業界トピックスをジャンル別にまとめています。ここ数年来に及ぶ電子部品メーカー各社の積極的な設備投資、対アジア勢シェア10％の差を死守するための新素材開発動向、また話題の電子部品の動向も掲載しました。その他、今後の注目アプリと電子部品の相関、同業界が抱える課題も併せて収録しています。第4章は国内電子部品メーカーの動きを掲載しました。

　最後の参考資料では、文系のための電気／電子回路部品の解説を行いました。文系出身の記者が、文系出身のビジネス人のために書き下ろした電子デバイス入門記事です。回路図や数式は削除し、平易な言葉でまとめました。

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■内容構成