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No.8

神奈川県、海外ビジネスセミナー開催、ASEANの投資環境と貸工場など紹介


2014/4/15

神奈川県産業労働局副局長西村明夫氏
神奈川県産業労働局副局長西村明夫氏
 神奈川県は、パシフィコ横浜で開催された「テクニカルショウ ヨコハマ 2014」に併催して海外ビジネスセミナー「アセアンの投資環境と進出に適した貸工場等を紹介」を開催した。県内企業のアジアでの事業展開を支援するため、ASEAN各国の投資環境と貸工場事情について紹介した。
 セミナーでは冒頭、神奈川県産業労働局副局長の西村明夫氏が主催者として挨拶し、「今回のセミナーが参加者の皆様にとって実りあるものになって欲しい」とコメントした。
 続いて日本アセアンセンター 投資貿易部 投資担当部長代理の中西宏太氏が、ASEAN各国の投資環境について説明した。
 ASEANは東南アジアの10カ国で構成。6億人の人口のうち4割がインドネシアで、続いてフィリピン、ベトナム、タイの順に多い。GDPは40年間で60倍に成長。7000~8000の日本企業が進出しており、20万人近い日本人が駐在している。日本との貿易の比率は15%程度で、以前はASEANで加工した製品を日本へと輸出していたが、日本企業の進出により、域内で完結するようになったため、ウエイトは減っている。ASEANは中国、日本、韓国などとFTAを結んでおり、域内での貿易もフリーとなっている。
 中西氏は「日本企業は人件費の安いところへと焼き畑農業的に進出してきたが、進出する地域がなくなってきている。長く作るきっかけづくりを東南アジアで考えて欲しい」と訴えた。
 続いて、アセンダス、伊藤忠商事、ジャパンベトナムアイピーマネジメント、住友商事、双日、タイコン、ハナム省人民委員会ジャパンデスク、フォーバル、VCC、ベカメックス日本連絡事務所、丸紅各社が、それぞれの物件を紹介した。
 アセンダスは、シンガポールの企業。シンガポールでは製造業が土地を買うのはほぼ不可能なので、賃貸工場を借りることになる。同社は、マレーシアのイスカンダールで工業団地の開発を進めており、3月に開所。1500~3000m²の工場を賃貸、販売できる。また、インドでは1500エーカーの工業団地を開発中。ベトナム・ビンズン省では500万m²の工業団地を開発しており、レンタル工場も用意している。
 伊藤忠商事では、インドネシアでカラワン工業団地を開発。第3期のレンタル工場を2月に竣工した。随時入居を開始しており、5区画のうち、2区画が入居済みとなっている。また、タイの工業団地開発会社であるアマタ・コーポレーションが、タイとベトナムで開発している工業団地についても紹介。タイにはナコーンとシティの2つの工業団地があるが、現時点ではレンタル工場の空きはなく、順次開発を進める。ベトナムでは1500m²と1200m²の工場に空きがあり、今後も随時開発を予定している。
 ジャパンベトナムアイピーマネジメントでは、ベトナムのミチュン工業団地を紹介。レンタル工場は旧正月明けから着工しており、2棟立てのレンタル工場を4カ所ほど整備する計画である。
 住友商事は、ベトナムのタンロン工業団地に6月完成予定で貸工場の建設を進めている。第二タンロン工業団地では、14年半ばから、貸工場13棟35ユニットを建設する予定。フィリピンのファーストフィリピン工業団地に、8月完工予定で、500~8000m²の新貸工業団地を建設中。また、ミャンマーでも15年竣工予定で工業団地の開発を進めている。
 双日は、ベトナムに2カ所、インドネシア、インドで工業団地を展開。ベトナムのロンドウック工業団地は13年8月に完成しており、賃貸工場は現在入居テナント募集中。インドネシアのGIIC工業団地では、14年末の賃貸開始に向け賃貸工場建設の準備を進めている。インドでは16年の造成完了を目指して工業団地の開発を進めており、賃貸工場の設置を検討中だ。
 タイコンは、タイのレンタル工場・レンタル倉庫のプロバイダー。15カ所の工業団地に約5000棟のレンタル物件を有している。アジア工業団地に1ユニット550m²の長屋式レンタル工場を整備する計画で、14年末の完成を予定している。
 ハナム省は、ドンバン2工業団地に1000m²のレンタル工場の建設を進めており、7月の完成を予定。500m²からレンタルが可能となる。
 フォーバルは、4カ国で5拠点を展開。インドネシアのデルタシリコン工業団地、ベトナムのダイアン工業団地、ニョンニャックⅢ工業団地で、日系中小企業専用レンタル工場を有しており、288m²の小規模から入居可能となっている。
 VCCは、ベトナム南部のタンキム工業団地の飛び地に整備したKIZUNAサービスファクトリーを紹介した。敷地面積5万8000m²、レンタル工場総面積2万3500m²で、13年6月から誘致を開始しており、30区画のうち、11区画が入居済みとなっている。
 ベカメックスは、ビンズン省のミーフック工業団地を紹介。1~5期の開発のうち現在、3期と5期が残っている。
 丸紅では、インドネシアのMM2100工業団地とフィリピンのリマ工業団地、ミャンマーのティラワ工業団地を紹介。MM2100工業団地ではレンタル工場はないが、6000~10万m²の長期リースの工業用地を用意している。リマ工業団地では、1800m²と1160m²の賃貸工場が用意されている。
 最後に、神奈川県のシンガポール駐在員がインドネシアの市場・投資環境の現地調査報告、欧州駐在員がロシアおよび周辺国のビジネス状況、公益財団法人神奈川産業振興センター大連代表所が大連からの近況を報告した。
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