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No.43

ジェトロ、インド南部 タミル・ナドゥ州投資セミナー開催


2018/3/27

 独立行政法人 日本貿易機構(ジェトロ)主催による、インド南部 タミル・ナドゥ州投資セミナーが、2月26日に東京都内のジェトロ本部で開催された。冒頭で挨拶した駐日インド大使館特命全権大使のスジャン R チノイ氏は「タミル・ナドゥは日本の投資先としてよく知られている」と紹介し、日本からの投資を広く呼びかけた。

 セミナーでは、まずジェトロ チェンナイ事務所 所長の田本達史氏が、投資先としてのタミル・ナドゥ州の魅力のテーマで講演し、同州の概要や投資環境などについて説明した。

 タミル・ナドゥ州は、インドで最も経済が発展した州の1つで、自動車関連産業をはじめとした幅広い分野の産業が集積している。面積は13万km²でギリシアに匹敵。2011年の国勢調査では人口は7214万人だが、現在は8000万人を超えるといわれている。州公用語はタミル語で、インドの公用語であるヒンディー語はほとんど話されていない。気候は熱帯サバナ気候(一部温帯モンスーン気候)で、非常に熱い地域となっている。16年度の州内総生産は13兆3877億ルピーで、毎年7~8%の経済成長を遂げている。チェンナイおよびその近郊に多くの企業が進出。日系企業は197社582拠点が進出しており、インドで4番目に日系企業の進出が多い州となっている。現地の二輪車メーカーであるTVSや商用車メーカーのアショック・レイランドが同州発祥であることから、完成車および周辺部品メーカーが多数存在。自動車関連産業の集積が進んでいる。

 チェンナイ近郊の港湾は、南インドにおける輸出入のゲートウエイとなっている。インド第3位のコンテナ取扱量を誇るチェンナイ港をはじめ、カマラジャ(エンノール)港、13年6月に開港したカトゥパリ港の3つの貿易港がある。

 工業団地はチェンナイ市内から数十kmの範囲内に多数立地。主だったもので15カ所あり、双日・マザーソン工業団地、マヒンドラ・インダストリアル・パーク、ワンハブ・チェンナイの3カ所は日系企業が開発に関わっている。

 ジェトロはチェンナイ事務所にビジネス・サポートセンターチェンナイを開設。短期オフィスペースの貸与、専門のアドバイザーによるコンサルティングサービスを提供している。

M.C.サンパトゥ工業大臣
M.C.サンパトゥ工業大臣
 基調講演・プレゼンテーション1では、タミル・ナドゥ州政府のM.C.サンパトゥ工業大臣がまず挨拶し、「タミル・ナドゥ州は最も効率的な投資先で、優れたインフラが整備されているので、ぜひ投資していただきたい」と語った。続いて、M.S.シャンガム工業省特別次官がインドの経済状況やインドにおける同州のポジション、ビジネス環境などについて説明した。

 基調講演・プレゼンテーション2では、同州政府のP.ベンジャミン地域産業大臣が挨拶し「皆様の進出を歓迎する。投資機会、チャンスを活用していただきたい」と語った。続いて、ダルメンドラ・プラタップ・ヤダヴ中小企業省次官が、同州が豊富に用意している中小企業向けのインセンティブなどを紹介した。

 チェンナイ進出日系企業のケーススタディとしては、インドヤマハモーター副社長の川島理生司氏が講演した。同社のチェンナイ工場は、15年初から開業。二輪車のエンジン生産と車体組み立てを行っている。生産はスクーターと小型のモーターサイクルからスタート、3月からは150ccのバイクの生産も開始する。

 同社では、インドでは北部のニューデリー近郊に工場を有していたが、この生産能力が限界となったため、次の生産拠点を検討。この際、(1)顧客の近く、(2)近くに有力なベンダーがいる、(3)港に近いの3つの条件を満たし、そのうえでインセンティブや人材などを検討した結果、チェンナイ近郊に立地を決定した。

 13年9月に土地がロットされ、440日程度で生産立ち上げを実現。敷地は70万m²で、同社以外に9のサプライヤーが立地している。

 人と地球環境に配慮した省エネルギー工場で、インド北部の既存工場に比べ、台あたりのエネルギーコストは40%以上向上。エネルギーを生じる設備を工場の中心に置くモニタリングシステムの導入、ソーラーパネルの設置などを実施している。また、水のリサイクル率は80%以上で、雨水も20%程度利用している。

 物流コスト削減に向け、部品は同州内およびバンガロール州からの調達を最大化している。また、サプライヤーによる輸送から、同社による輸送に切り替えることで物流コストの見える化を行っている。

 最後に、チェンナイ日本商工会 道路港湾インフラ委員会 委員長の羽田亨氏が「チェンナイでの工場設立に関するガイドライン」のテーマで講演し、インドに事業用地を確保する上で知っておきたい点や環境許認可について知っておきたい点などを説明した。
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