電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2014/4/30(2089号)主なヘッドライン
スペシャリティーファンドリー、300mmウエハー時代に突入
IDM方針転換で敷居下がる、タワージャズに続き他社も追従

 アナログICやCMOSセンサー、MEMSなどニッチ分野に狙いを定めたスペシャリティーファンドリー企業各社の主戦場が、いよいよ300mmウエハーに突入する。背景にはIDMやファブレス各社のアウトソース領域が大きく広がってきたこと、そして競争激化に伴うコスト競争力の強化がある。タワージャズがパナソニックとのジョイントベンチャー(JV)によって300mm工場を取得したように、今後こうした動きに追従する競合他社が現れる可能性は非常に高そうだ。

 「300mmラインの立ち上げを真剣に検討している」―ルネサス エレクトロニクスのドイツ工場がスピンアウトするかたちで誕生した新興ファンドリー企業、エルファンドリーのグンター・エルンストCEOの言葉である。同社は現在、米マイクロンテクノロジーから取得した伊アベザノ工場の200mmラインで生産を行っているが、今後の事業拡大を見据え、能力拡張は300mmウエハーが前提になるという。基本的に同社は既存工場の買収やIDM企業とのJVによって、300mmラインの取得を目指しており、15年中に結論を出すとしている。
 先端CMOSを「ノンコア領域」と位置づけるスペシャリティーファンドリー企業は、もともと300mm生産には消極的であった。重点分野であるアナログICやMEMS、パワーデバイスには装置やプロセスの制約上、200mm生産が最も適していることに加え、300mmラインの立ち上げには巨額の投資が必要であったからだ。スペシャリティーファンドリーは年間売り上げ規模が10億ドル以下の、資金力が乏しい企業が多い。
 しかし、ここにきて風向きが大きく変わろうとしている。IDMなどを中心にプロセスにノウハウ的要素が強いアナログICなどの製品でさえも、外部ファンドリーへの委託を積極的に推進しようとするケースが増加傾向にある。さらに、300mmラインでも日米欧のIDMを中心に売却方針を打ち出すところが増え、新規でラインを構築する必要が薄れてきており、以前に比べて300mm化の敷居が下がっていることもこれに拍車をかけている。

(以下、本紙2014年4月30日号1面)



◇ SMIC、20nm 16年にも量産、14年は200mm 2万枚増強
◇ GF、14nm 15年初頭に量産、サムスンから技術供与受け
◇ 浜松ホトニクスと京都大学、面発光型レーザー 1.5Wの高出力を達成、
  光製造 一変させる可能性
◇ サンディスク、1Y/1Zを加速へ、3D試作ラインも導入
◇ 三菱マテリアル、サーミスター増強、ラオスで来春から製造
◇ 東芝とサンディスク NAND、世界初の15nm品を量産、3ビット品も市場投入
◇ 千葉工大と日南、災害ロボット実用化、高濃度放射能にも対応
◇ ロームとアットマークテクノ、IoT開発キット、EnOceanに対応
◇ TSMC 1~3月期、28nm比率 35%に、スマホ好調で増収増益
◇ ラティスセミコンダクター、新FPGAを投入、ASICやASSPを代替
◇ 応用電機、拡張投資に8億円、京都工場と熊本工場で
◇ アダマンド工業、LTCC基板を拡大、パナソニックから買収
◇ レクザム、蘇州の増設を計画、実装基板事業を強化
◇ 大日本スクリーン製造、透明電極モニター装置、パターンを可視化、
  TPの歩留まり向上
◇ エスケーエレクトロニクス、厚膜レジスト応用、有機ELで3D形状実現へ
◇ クラボウ 検査装置、高機能フィルム用に、解像度向上でインライン実現
◇ クラボウ、高機能フィルム拡充、新機能開発で用途拡大
◇ ASML 1~3月期、装置受注高 26%減、上期見通しを引き下げ
◇ TOWA、中期計画を策定 新市場創出狙う
◇ ダイキン工業、フッ素系バインダー、高容量LiB向け
◇ 東大先端研、ハイブリッドで16.2%、有機系タンデムで最高効率
◇ ハイレートエナジー、定置用電源を拡販、独自の鉛電池でアジアへ
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