商業施設新聞
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第108回

(株)イデア 専務取締役 内田昌之氏


お好み焼き「鶴橋風月」
新業態含め3年以内に100店目標
海外でANA施設と連携進む

2017/12/12

(株)イデア 専務取締役 内田昌之氏
 国内外で「鶴橋風月」を79店展開している(株)イデア(大阪市天王寺区小橋町6-5、Tel.06-4304-0213)は、キャベツの自然な甘みを引き出したお好み焼きと、焼きそば目的で食べにくる顧客もいるほど質の高い焼きそばを提供している。SCに出店することが多く、8月には京都でお酒を楽しめる新業態店をオープンし、関東への出店拡大を図る。また、新型路面店を開発し、FC向けに出店アプローチをかけるという。今後の戦略について同社専務取締役の内田昌之氏に話を聞いた。

―― 貴社の店舗展開から。
 内田 ファミリー経営で後継者不足に悩んでいた前身の鶴橋風月から1989年に営業権を取得し、全国にこの味を広めたいとの思いで多店舗展開してきた。
 多店舗化し始めた当初は、知名度がないので集客力がある商業施設に出店した。すると、各SC内で売り上げも好調で、さまざまなところからオファーがくるようになり、店舗数の拡大につながっていった。SCが圧倒的に多く、路面店への出店は少ない。しかし、SCの場合は、改装や定期借地契約の期間満了などで退店を余儀なくされることもある。今後に向けて、新業態の開発や関西での知名度を生かし、路面店の出店にも取り組んでいる。

―― 新業態や路面店について。
 内田 これまでとは異なるコンセプトでSCへ出店するために、8月に京都で鉄板焼き料理を中心にお酒を提供する新業態「風月 CLASSIC 京都」をオープンした。落ち着いた雰囲気の中で、カジュアル感も持たせながら、お酒も楽しんでいただけるお店を目指した。今後、店舗数を拡大したい関東ではこの業態のほうが向いているのかもしれない。
 一方で、路面店は2年前に、大阪・北浜に「鶴橋風月Mоdern」という小型の店舗をオープンした。店舗面積は既存店の半分で、個人オーナーが一人で切り盛りできる小型の路面店モデルとして開発した。メニューは、お酒をメーンに、提供する料理はそれに合うものに絞っている。2年間、テストパターンとして運営してきたが、売り上げも好調である。年内にはFC店のオーナーにアプローチしてみたり、ホームページで募集をかけようと思っている。

―― 海外展開は。
 内田 現在、海外には韓国に3店、台湾に1店、アメリカに1店を出店している。11月11日には、シンガポールの全日空商事(株)が運営する商業施設内に初出店した。12月には同じくシンガポールのチャンギ国際空港で全日本商事が運営する空港内のフードコートにも展開する予定だ。ANA(全日空)では、以前から当社のお好み焼きを機内食として提供させていただいている。今後、全日空商事はシンガポールを核に東南アジアで商業施設などの開発をしていくようなので、当社としては、現在連携している施設を含め、店舗数を拡大していきたい。
 また、当社自身でも、既存店以外に台湾の台北・台中2店の新規出店を計画しており、タイでも出店のオファーがあるので、話を進めていく。ただ、海外展開の際には、メニューのクオリティーを維持するためにまずは直営で出店し、当社社員が駐在する国では、徐々にFCの展開も考えていこうと思っている。
 将来的な海外での店舗数は、アジアを中心に全体の2割程度のシェアを占めるようにしていきたい。
 先述の新業態2つと海外展開で、今後3年以内に店舗数100店を目指す。

―― 今後の課題は。
 内田 深刻な人手不足が問題だ。新規出店するための物件が良くても、人材確保できずに出店できないケースもある。根本的な解決策は見つからないが、外食業のイメージ向上が必要ではないかと思っている。

(聞き手・岡田光記者/北田啓貴記者)
※商業施設新聞2219号(2017年11月14日)(8面)

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