電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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2014/10/22(2114号)主なヘッドライン
タッチパネル、エンベデッド時代到来
パネルメーカーの攻勢始まる、中国のハイエンド端末市場がカギ

 2007年1月、指で液晶画面が操作できるスマートフォン(スマホ)「iPhone」が上市され、次いでタッチ操作に大きく依存するタブレット端末が誕生したことで、投影型静電容量方式のタッチセンサーが市場を席巻してきた。だが、業界内では14年半ばから「早ければ14年末からインセル時代が到来する」と囁かれ始め、タッチセンサーのパネル内蔵が加速しようとしている。15年には韓国LGディスプレー(LGD)が独自のインセル製品を量産し、LGエレクトロニクス社の製品に搭載するとみられており、パネルメーカーのタッチ機能エンベデッド化に一層拍車をかけそうだ。

 いまやモバイル端末に搭載必須になっているタッチセンサーは当初、2枚のガラス基板上に各々XYセンサーを形成して貼り合わせていた。だが、モバイル端末の薄型化に伴い、ガラス2枚が1枚になり、フィルム基板が使用されるようになり、フィルムも2枚から1枚になり、カバーレンズに直接センサー機能を形成するOGS(One Glass Solution)なども提案され、現在では様々な仕様のタッチセンサーが展開されている。
 これらは主にタッチパネルメーカーが進めてきた薄型化の成果であり、iPhoneの初号機から手がけてきた業界最大手の台湾TPKでは、ガラスセンサーからフィルムセンサー、OGSまで全方位でラインアップしている。
 加速する薄型化競争を制するとして注目を集めてきたのが、タッチセンサーとディスプレー一体型(エンベデッド)のオンセル/インセルタッチディスプレーだ。液晶パネル内にタッチセンサー機能を組み込むオンセル/インセルは、前者をサムスン電子が有機EL搭載スマホGalaxy Sシリーズに採用し、後者をアップルがiPhone5で採用した。エンベデッド化は、ディスプレー/パネルメーカーがパネルの高付加価値化戦略の一環として進めてきたのだ。
 カラーフィルター基板上にセンサー機能を形成するオンセルは、インセルに比べて技術開発・量産化がまだ易しく、テレビ市場の飽和とともに苦戦が予想された台湾パネルメーカーに活力を与えた。13年後半からイノラックス、AUO、CPT、ハンスターがこぞってオンセルに参入し、現在は中小型市場における主要パネルに位置づけて拡販に注力している。

(以下、本紙2014年10月22日号1面)



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