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北里大学病院 副院長 経営企画室 室長 渋谷明隆氏


北里大学病院の渋谷明隆副院長が講演、病院新築再編と病院経営戦略
急性期の大学病院と予防/回復期/慢性期・在宅の東病院を一体運営、教育機能強化

2014/11/11

新病院について説明する渋谷明隆氏
新病院について説明する渋谷明隆氏
 北里大学病院 副院長で経営企画室 室長、新病院プロジェクト本部 副本部長の渋谷明隆氏は10月7日、JPI(日本計画研究所)主催の特別セミナー「新築再編計画・病院経営戦略 非営利組織経営の全容 北里大学病院『新病院プロジェクト』の進捗と取組み」を行った。講演は、(1)新病院プロジェクトの概要、(2)経営戦略の策定、(3)設計から施工まで、(4)開院準備、(5)新大学病院の開院、現状と反省、展望の順で行われた。消化器内科のドクターでもある渋谷氏は、2005年8月にプロジェクトリーダーに就任すると同時に、慶應大学、東京大学、ハーバード大学で医療経営を学ぶところからスタートし、苦難を乗り越えて将来の医療の変化に対応できるフレキシビリティを備えながら、50年間にわたり使用できる施設、北里大学病院と北里大学東病院の機能再編および経営戦略という命題を高次元で融合させ、それを雄大で美しい姿形の建築物に具現化した。9年間におよぶ歳月と数百億円を投じて完成した新病院は、北里柴三郎博士を学祖とする北里研究所100周年・北里大学50周年の創立記念にふさわしい一大事業であるとともに、新たな世紀に踏み出した北里大学の象徴でもある。

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◆医療専門職はマネジメント教育を受けていない
 渋谷氏は、今年5月にオープンした新しい北里大学病院の概要を紹介した後、講演を開始した。講演は、プロジェクト遂行の過程で印象に残り、また、氏が刺激を受けた「名言」「名台詞」の合間に織り交ぜて、現場の臨場感を伝えながら進められた。
◆「これから50年間使える大学病院をつくれ」
 渋谷氏は、まず、医療専門職の特性として、職能集団への関わりが強く、組織への関わりは限定的で、専門職独自の価値観・文化を形成し、マネジメント教育を受けていない、大学病院の医師の人事権は病院長でなく教授にある、病院の方針が現場に伝わりにくいと紹介した。
 北里大学 新病院プロジェクトの進行は、05年から構想が始まり、大学・院内でのプロジェクトチーム編成・部門ヒアリング、大手ゼネコンの設計部門を交えて設計与条件をまとめ、設計プロポーザルを実施し、09年8月まで基本設計を行い、続いて10年9月までに実施設計を作成した。この設計期間中から建設工事に移行した11年9月以降も、絶えず部門ヒアリングを継続した。建設工事を進めるとともに、機器ヒアリングや運用設計に並行して取り組み、13年12月に新病院が竣工、14年5月に開院した。

(続きは本紙で)

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