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藤田保健衛生大学 医学部地域老年科 教授/名古屋大学大学院 経済学部研究科 特任教授 岩尾聡士氏


「医療・介護・周辺産業はトヨタに匹敵する産業になりえる。是非とも、知恵や参加を」

2015/1/13

岩尾聡士氏
岩尾聡士氏
 事業構想大学院大学学長で地域福祉社会研究会座長の清成忠男氏は2014年12月1日、JPI(日本計画研究所)の特別セミナー「成長戦略改定に向けて菅官房長官へ提言書を提出『日本版IHN(統合ヘルスケアネットワーク)構想実現に向けた取組み現況と今後の展開』中部地域での先駆的モデルCBM(Community Based Medicine)の事例 医療と介護の統合 三大都市圏の超高齢化に対応等」を行った。そのなかで、藤田保健衛生大学医学部地域老年科教授で、名古屋大学大学院経済学部研究科特任教授の岩尾聡士氏は、大学病院主体のモデルとして中部地域で先駆的に展開している「CBMヘルスケアイノベーションIWAOモデル」について、詳細を解説した。

◇   ◇   ◇

◆30年、看取りの場所ない高齢者が約47万人
 岩尾氏は、「CBMヘルスケアイノベーションIWAOモデル」実践の背景として、2025年までに政府が病院から在宅医療へのシフトを推進し、30年の病床数は現状維持、介護施設を2倍増、在宅での看取りを1.5倍にしても年間約47万人の看取りの場所がない。高齢者住宅・介護施設の増設、訪問医療・介護・リハビリサービス、介護人材の育成が社会的に必要となっていると述べた。また、社会保障費の削減により、経営が逼迫している病院の再編と地域ごとの病院の機能分化が必要と述べた。
 そこで、医療保険から予防・早期発見、コミュニティにおける家族単位によるケア提供、プライマリ・ケアと専門ケア、処方薬指導、精神ケア、救急ケア、患者搬送サービス、病院での急性期ケア、リハビリテーション、在宅ケア、長期介護、終末期ケアに至るまでの、連続した継ぎ目のないケアを実現する大学発の医療・介護クラスター日本版IHNの形成(IWAOモデル)を目指すことにした。
◆住まいの開設と訪問看護・介護・リハを実践
 この構想に基づき、まずは在宅ケア、長期介護、終末期ケアの充実した住まいとして、住宅型有料老人ホーム「陽明ドクターズケア医大前」(愛知県瀬戸市、12年4月)の開発・運営(20床)、サービス付き高齢者向け住宅「聖霊陽明ドクターズタワー」(名古屋市昭和区、12年9月)の開発・運営(60床)、訪問医療・看護・介護・リハビリサービスとして在宅医療クリニックの運営(患者数500人程度)、訪問看護・訪問介護・訪問リハビリステーション、居宅介護支援事業所の開発・運営を医療法人陽明会、(株)メッドインフォマティクスなどと連携しアクションリサーチ(実践と大学の研究の並行)を推し進めてきた。

(続きは本紙で)

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