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No.70

福建省人民政府など、経済貿易協力交流会開催、日本からの投資を呼びかけ


2024/8/20

 福建省人民政府と中国在日大使館主催による「中国(福建)-日本経済貿易協力交流会」が7月30日に東京都内のホテルで開催された。中国共産党福建省委員会書記、福建省人民代表大会常務委員会主任の周祖翼氏が基調講演を行い、福建省の概要や魅力、投資環境などを紹介。広く日本企業の投資を呼びかけた。

周祖翼氏
周祖翼氏
 福建省は中国東南海沿岸部に位置。全方位に質の高い発展に取り組み、社会経済が著しく発展している。ここ10年で福建省のGDPは2兆5000億元から5兆4000億元に成長しており、全国第8位にランクインしている。

 交流会では、在日中国大使などの挨拶の後、寧徳時代新能源股フン有限公司(CATL)海外事業部乗用車事業部執行総裁の倪生氏と福耀玻璃工業集団股フン有限公司(福耀集団)副総裁の黄賢前氏がプレゼンテーションを行い、それぞれの企業の概要などを紹介した。

 CATLは、福建省寧波市に本社を置き、グリーン交通用のEVバッテリーシステムとサービスを提供している。研究開発拠点は中国国内4カ所とドイツ・ミュンヘンの5カ所、生産拠点は中国国内11カ所とドイツ・エアフルト、ハンガリー・デブレツェンの13カ所を有している。EV市場での2023年度の同社のマーケットシェアは36.8%で、7年連続で世界トップシェアを有している。また、EV向けだけでなく、エネルギー貯留システムの提供にも取り組んでおり、電力の生産、輸送、消費の分野で使用され、エネルギー構造の最適化に取り組み、エネルギコスト削減に貢献している。

 23年の研究開発投資は183.56億ドル。電池のリサイクルにも取り組んでおり、電池生産、使用、再利用、リサイクル&資源再生のエコシステムを構築している。生産工程での改善も進めており生産コストは42%削減、タクトタイムは50%の向上。欠陥検出システムの知能化による品質向上、製造の省エネルギー化、データトレーサビリティなどを進めている。

 福耀集団は、1987年に福建省福清市で設立。自動車ガラスを珪砂からアッセンブリーまで一貫したサプライチェーンを構築している。営業収入は331億元。グローバル従業員数は3万2700人で、生産能力は4000万台となっている。

 最後に、日本電気硝子(株)社長の岸本暁氏が福建省への投資経験を紹介した。

 日本電気硝子は蛍光灯用管ガラス製造の町工場からスタート。得意先に近い場所で生産するという方針から、納入先である中華映管の工場があった福州市に2000年にブラウン管用ガラスの製造拠点である福州電気硝子玻璃有限公司を設立。02年には同じく福州市に福建電気硝子玻璃有限公司を設立した。その後ブラウン管テレビの生産終了に伴い、この2工場は09年に解散している。

 14年にはFPD用ガラスの生産のため、厦門市に電気硝子玻璃(厦門)有限公司を設立。16年には納入先のBOEの工場向けに福州市に日中合弁会社の福州旭福光電科技有限公司を設立した。また、22年には厦門の工場で加工工程の設備を増設している。

 岸本社長は福建省への進出について「省、市、開発区の政府の誠実な働きかけがあったため」としている。特に厦門市政府の誘致への熱意に感心しており「16年に厦門に台風が来た時に、市にも大変な被害があったが、事業活動の継続に大きな尽力があった」と語った。また、電気、ガス、水、港湾などのインフラが充実していることも挙げている。岸本社長は「福建省での事業活動を継続、拡大していく所存で、お力添えをいただきたい」と締めくくった。
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