九州シリコンアイランドが日本国内の半導体生産の50%以上を担っていることは、つとに知られていることである。ここにきては、台湾TSMCの進出、さらにはソニーの巨大工場建設などの動きもあり、さらに生産比率は上がっていくことであろう。
しかして、半導体の活況という点で熊本ばかりに関心が集まっているが、福岡県も総力を挙げて半導体関連産業の企業誘致に動いているのだ。そしてまた、福岡県下には半導体関連の会社が400社もあるわけであり、熊本県を大きく凌いでいるのだ。
その福岡県にあって、まさに中核都市となっているのが北九州市なのである。北九州市半導体戦略は、半導体関連企業の製造、人材輩出、研究開発が切れ目なくつながるエコシステム構築に全力を挙げている。最近のエポックメーキングなこととしては、OSATの世界的大手である台湾ASEというカンパニーが北九州市の若松エリアに16万m²という土地を確保し、新工場進出を狙っていることだ。これが立ち上がれば、かなりのインパクトになると目される。
最近では、「北九州半導体ネットワーク」が形成されており、まずは地域企業の成長支援を強化していく。第二には、オープンイノベーションの推進があり、先端企業と大学の連携による技術開発、新ビジネスの創出を狙っている。もちろん、人材の育成・確保、物流ハブの構築、企業の誘致にもきっちりと取り組んでいる。
北九州エリアには、半導体関連の企業が実に305社も集積している。さらに言えば、このエリアは自動車産業の集積(トヨタなど384社)も多く、さらにはロボットの世界的な企業である安川電機も存在することから、様々なコラボレーションが図りやすいところになっている。
こうした状況下で、日本経営開発協会(関西経営管理協会)は進化する北九州半導体関連企業の核心に迫る現地視察ツアーを9/25(木)から9/26(金)の2日間にわたって計画している。企業セレクトを含めて、コーディネーターは筆者こと泉谷渉が担当し、すべての視察に同行するのである。
おおまかなタイムスケジュールとしては、9/25(木)の12時に北九州空港またはJR小倉駅に集合し、大型バスでツアーを開始する。13時半には、北九州学術研究都市を訪れ、産学連携センターを訪問、さらには共同研究開発センターのクリーンルームを視察する。15時半には、ウォシュレットで有名なTOTO本社を訪問し、同社が今後の柱としていくウエハー搬送技術と次世代生産システムを見学する。その後、リーガロイヤルホテル小倉に移動し、17時半から18時半までは泉谷渉の特別講演会が組まれている。19時からは交流会となる。
9/26(金)は半導体テスターにおいて世界トップクラスの市場シェアを獲得しているアドバンテストの現地カンパニーであるアドバンテスト九州システムズを訪問。その後、国内トップの化学メーカーである三菱ケミカルの九州事業所を訪問し、半導体向け素材の最新動向を視察する。とりわけ、半導体シリコンの製造に使用する石英るつぼの生産能力拡大状況をヒアリングする。午後からは、直方エリアに移動し、半導体めっきの有力企業であるアスカコーポレーションを訪問する。16時に小倉、17時に北九州空港というルートで解散となる。
同ツアーへの問い合わせおよび申込みは関西経営管理協会(TEL:06-6312-0691)=担当:中村和弘氏まで。
■
泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 取締役 会長。著書には『自動車世界戦争』、『日・米・中IoT最終戦争』(以上、東洋経済新報社)、『伝説 ソニーの半導体』、『日本半導体産業 激動の21年史 2000年~2021年』、『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』(産業タイムズ社)など27冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。