商業施設新聞
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No.1057

ようやく三井アウトレットパーク マリンピア神戸に行ってきた


高橋直也

2026/5/26

 商業施設が新規開業する際、多くの場合は内覧会を開催してくれるが、どうしてもスケジュール調整ができないこともある。注目施設となると、欠席は苦渋の決断である。「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」も内覧会に参加できなかった施設の一つ。しかし興味は尽きないので、個別取材をさせてもらった。

 この施設の特徴は何といっても敷地内のラグーン。建物に大きなラグーンが併設されており、プレスリリースでラグーンのイメージが公開されたときは「アウトレット=モノが安くなる、モノが主役の施設」なのに振り切っている、と驚いたものである。当時のパースを見返してみると、中央に大きなラグーンがあり、その周辺が公園のようになっている。関西には競合となるアウトレットが多い中、ラグーンのようなコト・体験として集客することで差別化する……ということは推察できていたのだが、これまで実物を見ていないので、どれほどコトに対して本気か見えてこなかった。

「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」のラグーンとその周辺
「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」のラグーンとその周辺
 そうした中、3月にようやく取材に訪れた。施設に到着して真っ先にラグーンに向かったのだが、想像以上に広大だった。そしてラグーンだけでなく、周辺を想像以上にしっかりと作り込んでいることに気づく。緑地、遊歩道、砂浜、隣接するBBQスペースやパティスリー&ベーカリーレストランなど機能が盛りだくさん。ラグーン周辺からは明石海峡大橋を目の前に望め、景観の良さは国内アウトレットの中でも指折りではないか。取材によると、やはりこうした景観、雰囲気が強みになっており、これを求めて来館する人も多いようだ。納得である。

 また、ラグーン近くにある大屋根広場のスケールにも驚いた。大型デジタルサイネージが設けられた広場なのだが、このサイネージがかなり大きく、およそ9×5mにおよぶという。体感としてはちょっとした映画館のシアターくらいの規模で、様々な使い方ができるだろう。広場としても大きく、大きな広場を確保することは、裏を返せば店の面積を減らすことを選択したということだ。ここに施設の方向性を感じた。商業施設に求められることが移り変わる中、ラグーン、ラグーン周辺の様々な機能、大型サイネージのある広場など、思い切った取り組みを感じ取ることができた。

 その一方、思い起こすと以前、別のアウトレット施設を取材した際、「体験やコト消費は今後重要になるが、やっぱり基本はアウトレット店のラインアップを充実させること」という話を聞いた。記者という立場上、コト・体験に注力するなど新しさに目が行ってしまうが、消費者の立場から見ると、店が揃っていないと困るだろう。実際、いくつかのアウトレット施設の評判をネットで調べてみると、目立つのは「店舗数の充実度」と「駐車場の混雑具合」である。デベロッパーは店の充実や快適性という従前からの価値に加え、コト・体験にも注力しなければならない時代に突入している。
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