記者に出張は付き物だ。大阪支局に在籍しているが、近郊の関西、中部、中国、四国だけでなく、時には関東や九州へ出張することもある。仕事の内容によっては、現地に泊まるケースも少なくない。その際、個人的にこだわっているのが、宿泊するホテルの設備だ。
キングサイズのベッドを備えた
「コートヤード・バイ・マリオット
新大阪ステーション」
ホテルの設備と一言で言っても、その内容は多岐にわたる。館内設備では自動販売機、コインランドリー、無線LANサービスなどがあり、客室設備ならテレビ、ドライヤー、冷蔵庫なども含まれる。筆者の場合、ホテルに到着して自分の客室に入った際、まず確認するのがベッドの寝心地である。
ホテル業界では、シモンズ製、シーリー製、サータ製と、ベッドのブランド名をアピールする傾向が見られるが、率直に言ってその違いをよく分かっていない。毎日畳の上で寝ているので、敷き布団のふかふか感も必要としないのが正直なところだ。むしろ、備えてある枕の高さだったり、掛け布団の長さを気にしたりする。先日、新大阪駅の近くにオープンした「コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション」の内覧会で、キングサイズという大きなベッドを拝見したが、あまり魅力は感じられなかった。
次に確認するのが、トイレと浴槽、つまりユニットバスである。ユニットバスはどのホテルも同じと思われがちだが、意外に細かいところで違いが見られる。例えば、排水口の有無。通常、トイレと浴槽の間には排水口が設置されており、シャワーから飛び出す水や、浴槽から溢れた水を逃がす役割を果たす。しかし、あるホテルチェーンのホテルに泊まった際、この排水口がない客室に遭遇した。筆者は腰痛の持病を抱えているので、出張の際も、できるだけ浴槽に浸かることを心がけているが、排水口がない客室は初めての経験だったので、正直戸惑った。結局、シャワーを使い、浴槽にも浸かったので、入浴後はユニットバスが浅瀬の状態になってしまった。自分の行いは深く反省しているが、このホテルにも改善をお願いしたい。
もちろん、設備の整った良いホテルもいっぱいある。お気に入りは、東京出張の際に必ず利用することにしている、神田駅近くのホテルだ。このホテルは客室にユニットバスがなく、洗面所やトイレは各フロアで共用となっている。その代わりに、ホテルの地下1階に大浴場が設けられている。大人が十分に足を伸ばせる、昔の銭湯のような風呂があり、それに浸かると、腰痛もどこかへ飛んでいくような快感が味わえる。この大浴場は24時間使用できるので、会社の先輩と夜遅くまで飲んでも、ゆっくりと風呂を楽しむことができる。
そして、2015年はもうひとつお気に入りのホテルを見つけることに成功した。本紙にもよく登場するホテルチェーンのホテルであるが、四国出張の際に、大きな感銘を受けた。客室に入ると、目の前に大きな黒い椅子が備えられていて、その椅子が、なんとマッサージチェアであった。大浴場に置いてあるのはよく見かけるが、客室に置いてあるのを見て、猛烈に感動した。その日は2時間近くマッサージチェアの上で過ごし、ベッドに潜り込んだのを覚えている。
結局のところ、ホテルの好みは人それぞれ。多くのホテルを巡って、自分のお気に入りのホテルが見つかれば、出張に次ぐ出張で家で休む時間もないサラリーマンの心強い味方となるだろう。