商業施設新聞
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No.539

博多 一風堂とイートアンドで新メニュー試食


笹倉 聖一

2016/1/12

 博多 一風堂とイートアンドがラーメンの新メニューを開発し、それぞれが報道向けに試食会を開催したので参加した。

 創業30年を迎えた博多 一風堂は、2015年12月5日限定のコース料理(8000円)を開発した。2種類のラーメンをメーン料理としている。前菜からデザートまでの7品を提供し、まずウェルカムドリンクのスパークリングワインで出迎えられ、次に野菜スープと甘いお茶が混ざった味の「開口開胃湯」スープが食欲をかきたててくれる。野菜のつけ麺仕立て「大地からの恵み」は、ラーメンスープに使用されることが多い新鮮野菜を、ポークコンソメジュレをあしらった「リンゴととんこつのスープ」で、冷たい不思議な味わいを感じさせる。鶏清湯を寒天で麺状に仕上げ、鶏白湯の泡のソースとともに味わう「リアルなチキンヌードル」は、太めのところてんのような食感で、有田焼の器が存在感を示す。

博多 一風堂の「地中海の太陽と風」
博多 一風堂の「地中海の太陽と風」
イートアンドのビースト風台湾まぜそば「台湾まぜビースト」
イートアンドのビースト風台湾まぜそば
「台湾まぜビースト」
 メーン料理の1皿目である「地中海の太陽と風」は、太打ち縮れ麺をブイヤベーススープでまとめた料理で、魚介の味が濃く混ざる。2皿目のメーン料理の「麺線26番黒トリュフの涙」は、麺線26番の細ストレート麺が使われ、替え玉のおかわりもできるもてなしだ。ふんだんに使った黒トリュフが香り立つ贅沢な一杯で、コリコリした白い背油の塩漬けが舌を楽しませてくれる。さらに3種類の四角体のキューブチャーシューに揚げワンタンが添えられた「チャーシュー・又焼・焼豚」は、バラ肉は炙り、モモは低温ボイル、肩ロースはじっくり煮込んだ調理法で、塩、わさび、醤を付けて口に入れて味わう。
 食事が終わるといよいよデザートだ。デザート2品は、開店後わずか2カ月でミシュラン1つ星を獲得した「TIRPSE」のパティシエール中村樹里子氏が監修し、ラーメンをテーマに創り上げた。1品目は特製パンのアイスクリーム「冷たい甘美の奥の驚きの隠し味」で、アイスクリームをキャラメルソースとフレーク状のサブレで味わい、隠し味に一風堂のスープだしが使われていた。
 2品目は、焼きクレープを苺のスープで味わう「スウィート・スウィート・ラーメン」。バニラが香る苺スープに麺用の小麦粉を平麺のようにあしらった焼クレープで、「締めはやっぱりラーメン」を表現した。替え玉を注文すると、「ございません」と断られてしまった。
 最後のお茶は、南ア共和国・セダルバーグ山脈一帯だけに自生するルイボスの葉を乾燥させて煎じた健康茶「ホットルイボスティー」。ノンカロリーで糖質ゼロ、アンチエイジング効果など様々な効能がある。

 これだけ食べ終えるとお腹が大満足で、食べ慣れない料理も多かったので胃袋が複雑な状態になっている。最後に「お味はいかがでしたか」と挨拶に来てくれたシェフに、「難しい味よりも、いつもの白丸元味、赤丸新味がわかりやすくて好きだ」と正直に答えると、シェフはがっくりと肩を落とした。悪いことをしてしまった。

 次はイートアンドだ。同社は創業46年を越え、大阪王将が有名だが、京都の伝統的な醤油とんこつラーメンの「よってこや」、健康と美味しさを両立した「太陽のトマト麺」、油そばにローストビーフを乗せた「ローストビーフ油そばビースト」などの専門店で首都圏展開を拡大している。

 よってこやは2月末までの冬季限定商品の「香ばし濃厚にぼ味噌ラーメン」(830円)と、全店でのリニューアル商品「京都鶏ガラとんこつ醤油ラーメン」(690円)が試供された。太陽のトマト麺は、2月末までの冬季限定商品「ホロホロ煮込みチキンの濃厚デミチキトマト麺」(930円)と、1月のトマトの日(9~11日)限定の「炙りカマンベールのオニグラチーズラーメン」(860円)を配した。新業態「ローストビーフ油そばビースト」は、新商品「ビースト風台湾まぜそば『台湾まぜビースト』」(1100円)を発表した。

 どの料理も、濃厚で個性的な味。イートアンドの担当者に、新メニューを小皿に入れて、全種をコース料理で提供したらどうかと提案したところ、「一品ごとの料理として提供し、ファンを増やしながらリピーターになっていただくことを目指したい」と、あえなく却下された。
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