商業施設新聞
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第12回

関西文化学術研究都市センター(株) 代表取締役社長 横山哲郎氏


住民生活支える施設づくり推進
16年春に「すずらん南館」計画

2016/1/26

関西文化学術研究都市センター(株) 代表取締役社長 横山哲郎氏
 大阪府、京都府、奈良県の京阪奈丘陵で、学術・研究の振興や文化・産業の発信拠点として関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の開発が進められてきた。その地域において利便施設の建設および管理運営を担っているのが関西文化学術研究都市センター(株)だ。約40年間“人が生きる 街が活きる”をキャッチフレーズに、同地域の住民生活を支えてきた。代表取締役社長の横山哲郎氏に伺った。

―― 概要から。
 横山 近鉄高の原駅(奈良市右京)周辺の平城・相楽ニュータウンで商業施設「サンタウンプラザ」を中心に運営しているほか、研究施設が多い光台(京都府精華町)では、飲食チェーンが中心の「食彩プラザ」と近隣センターを運営。このほか、田原台(四条畷市)にDgSや医院などが入居する「サンパルコ田原」、奈良青山地区の地区センターを運営している。土地建物や土地のみ貸し出すなど開発や運営手法は様々である。

―― 高の原駅周辺について詳しく。
 横山 駅の西側にサンタウンプラザなどの商環境が集積している。サンタウンプラザは、すずらん館をはじめとする4館で構成している。近年は中央の平面駐車場を一部立体化したため、土地の活用策として、2014年春にホンダの営業施設も開業している。
 駅の反対側(東側)には、「プロムナーデたかのはら」として、医院、美容院、学習塾などが入居する施設や、スイミングスクールがある。

―― サンタウンプラザ各館の役割は。
 横山 駅に最も近い、こすもす館は、イオンモールがテナントで入居し、特に学生やファミリーの方などが日々の買い物やハレの日などに利用いただいている。地域住民の方にとって、なくてはならない施設だ。
 すずらん館は、食品スーパーを核に、小売店を中心に飲食店、医院など日常生活で必要なテナントを集積。イオンモールと比較し、高齢の方が多く来店するため、買い物しやすい身近なテナントの業種や配置を心がけている。休憩スペースなどを拡充するなど、毎日館に来てもらい、“ほっと”できる施設づくりを推進している。
 ひまわり館の最上階にはフィットネスクラブその他、銀行、居酒屋など周辺住民が日々利用するサービス店を主に集積している。
 ひかり館は13年に新設した館で、家電業態がエリアで不足していたため、大手家電量販店を誘致し、各館との買い回りも好調だ。

―― 施設運営以外の取り組みは。
 横山 住民同士のコミュニティ生活を支援する目的で、高の原駅前の広場を利用し、当社主催の夏まつりを毎年開催している。さらに、ボランティアの方と一緒に行う花いっぱい運動や、文化セミナーを通じて住民の方とともに安らげる空間づくりや交流の場を創っている。

―― 開発計画は。
「すずらん南館」のイメージ
「すずらん南館」のイメージ
 横山 すずらん館と高の原病院との間の余剰地を利用し、16年春に「すずらん南館」の開業を計画している。すずらん館の医院で足りない診療科や、周囲に学校環境が多い立地を活かし学習塾などの入居を予定している。引き続き平面駐車場の活用も計画しており、16年秋の新施設開業を目指す。

―― 最後に抱負を。
 横山 地域住民の方に愛される施設づくりを推進する。住民の方が求める機能の導入や、交流事業を積極的に行うなどニュータウンの利便性の高い街づくりに貢献していきたい。


(聞き手・今村香里記者)

※商業施設新聞2123号(2015年12月22日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.180

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