商業施設新聞
新聞情報紙のご案内・ご購読 書籍のご案内・ご購入 セミナー/イベントのご案内 広告のご案内
第529回

(株)あさひ 店舗開発部長 川端三法氏


自転車専門店を全国557店展開
都内などで都市型店を拡大へ

2026/7/7

(株)あさひ 店舗開発部長 川端三法氏
 (株)あさひ(大阪市都島区)は、自転車専門店「サイクルベースあさひ」などを全国で557店展開している。従来、郊外ロードサイドに出店するケースが多かったが、近年は出店余地のある小型の都市型店の開発に注力しており、今後も拡大する方針だ。またネット注文した商品を店舗で組立・整備してから受け取れるものなど、サービスの拡充にも取り組んでいる。同社店舗開発部長の川端三法氏に話を聞いた。

―― 貴社の概要について。
 川端 現在、全国45都道府県で557店(3月末時点)の自転車専門店を運営している。自転車はお子様から高齢者まで乗っていただける乗り物なので、ライフスタイルに応じた展開を意識している。郊外標準店の店舗面積は平均130坪で、400~500点の自転車を展示する。自転車は乗り物であり、安全に乗っていただくためにもメンテナンスが重要で、修理点検作業を行う「ピット」スペースも拡充している。

―― サービス面で注力していることは。
 川端 ネットで注文いただいた商品をお客様の自宅近くの店舗で受け取れるサービスを提供している。通常はネットで自転車を購入した場合、商材自体が大きいし、購入者自身で組み立てし乗れる状態にしなければいけない。しかし、このサービスならお客様に合わせて組立・整備してお渡しでき、その後のメンテナンスも店舗で行える。現在このサービスの売り上げが、1店あたりの約18%を占めるところまで拡大している。そのほか、循環型社会の実現を目指し、お客様から自転車を買い取り、整備して再販する、リユースの取り組みにも力を入れていく。

―― 新店舗では都市型店の開発にも注力されていますね。
小型の都市型店の開発に注力している(写真はサイクルベースあさひ方南町店)
小型の都市型店の開発に注力している(写真はサイクルベースあさひ方南町店)
 川端 当社の店舗はこれまで、店舗面積が100坪以上の郊外のロードサイド店が中心だったが、郊外ロードサイドは出店余地がなくなってきた。そのため、2021年ごろから小型の都市型店の開発に注力している。東京都であれば、環七より内側のエリアを中心に店舗面積は40~60坪、自転車は約100~200台を取り扱う。取り扱っている商品については特化せず、いわゆるママチャリからスポーツバイクまで、エリアの人口動態に合わせてバランスよく提供する。店舗戦略としては、既存の郊外ロードサイド店間の商圏を埋めるようなイメージだ。建築費が高騰していることもあって、大型店から都市型店へシフトしている面もある。

―― 商業施設での出店は難しいですか。
 川端 自転車小売業はそもそも扱う商品が大きく、他業種に比べて高い賃料を出しにくいため、商業施設内で採算を取るのは容易ではない。自転車を利用する地域のお客様にとって社会インフラとして認識してもらい、長期間にわたって営業することを想定しているため路面店のほうが望ましい。ただし、自転車の利用率が高いエリアや自転車専門店が必要と考えていただける商業施設では可能性もある。都市型店で得たノウハウで小型店の採算性改善が見込めるようになれば、商業施設での展開も選択肢のひとつになるかもしれない。

―― 今後の展開については。
 川端 年間約10店のペースで新規出店を拡大していく計画だ。業態としては都市型店の開発を強化する方針で、約10店のうち半分近くは都市型店となる見込みだ。出店エリアは関東を中心とし、都市型店であれば東京23区内でもまだ出店余地が多くある。
 サービス面では、洗車や点検などを切り口に、当社の強みであるメンテナンスからの利用者拡大にも注力したい。お客様と長くお付き合いできる店舗づくりに努めていくつもりだ。


(聞き手・北田啓貴記者)
商業施設新聞2644号(2026年4月28日)(6面)

サイト内検索