商業施設新聞
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No.565

30代のグルメ


岡田 光

2016/7/19

 私事で恐縮だが、新婚生活が始まった。異なる環境で育った男女が、ひとつ屋根の下で暮らす。毎日が驚きの連続である。一番嬉しいのは、家を出る時に「いってらっしゃい」、帰った時に「おかえりなさい」という妻の声が聞けることだ。

 そんな新婚生活の朝食は、もっぱらご飯と味噌汁の組み合わせだ。幼いころから玄米を食べて育った筆者は、大人になってもその習慣は変わらず、妻が炊いた時はすべて白米を使用してもらい、筆者が炊く時だけ玄米を少し足している。一方、味噌汁は今まで飲む習慣があまりなかったが、飲む機会が増えた。妻は根菜類やきのこが大好物で、味噌汁の具材は大根、人参、じゃがいも、しめじ、えのき等など、毎日バリエーションに富む。加えて、朝・晩問わず、魚料理が食卓にのぼることも多い。

 「家では和食を中心に食べたい」、そう妻に言ったのは筆者である。昼食に食べるものが、パンや肉料理など、洋食に偏っているためだ。社屋の周辺は、カフェ、コンビニエンスストア、居酒屋などが多いため、パンを食べる機会は少ないが、取材で外出した場合、それも商業施設内で取材する場合は、ベーカリーを訪れる機会が増える。今年もまだ上半期が終わったばかりであるが、数多くのベーカリーショップを内覧・取材し、その際にパンを購入した。
パンの乾燥を防ぐ透明ケース
パンの乾燥を防ぐ透明ケース
 印象に残っているのは、吹田グリーンプレイスに出店した(株)ドンクの「ドンク エディテ吹田グリーンプレイス店」。店舗面積217m²/54席の規模となる同店では、国内で初めて、パンを入れる透明ケースを導入している。導入した理由を聞いてみると、路面店のため、外から日が当たってパンが乾燥してしまうのを防ぐのが目的と担当者は言っていた。事実、購入したパンを食べてみると、生地はしっとりもっちりとして美味しかった。商品をトレーに載せるのにちょっと不便だなと思ったが、この美味しさが長持ちする工夫には正直感心した。

店舗を拡大している「いきなり!ステーキ」
店舗を拡大している「いきなり!ステーキ」
 今年は取材で肉料理を食べる機会が多い。例えば、(株)ブロンコビリーが展開するステーキ・ハンバーグ店「ブロンコビリー」や、(株)ディーアールが出店した「TEPPAN 29BAR BARUMICHE」、そして(株)ペッパーフードサービスが猛烈な勢いで店舗を拡大している「いきなり!ステーキ」などだ。中でも、いきなり!ステーキのインパクトは大きい。先日、同社のオープニングイベントに参加させてもらったが、コック姿の担当者が筆者の目の前で、肉の塊から300gを切り分けてくれた。肉の厚みもさることながら、切り分けたステーキをすぐに焼いて提供してもらえる、その仕組みに感銘を受けた。最近は路面店だけでなく、ショッピングセンターのフードコートにも出店しており、客受けは良いようだ。

 しかし、日本で生まれ、日本で育った筆者としては、パンや肉料理ばかり食べるのも考えものだ。軟らかい食べ物が増えると、歯の育ちが悪くなるし、がんのリスクも増大する。なにより、40歳が近づく筆者にとっては永遠の悩みとなるであろう、お腹の肉が増えてしまう。「日本人の主食は米と魚」。そう言い続けながら、今日も妻の手料理に舌鼓を打つ。
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