商業施設新聞
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第226回

菅田(株) 代表取締役社長 菅田拓平氏


郊外型やGMSに展開
生活圏駅ビルにも出店へ

2020/4/14

菅田(株) 代表取締役社長 菅田拓平氏
 菅田グループ(菅田(株)、岡山県津山市川崎1902-3、Tel.0868-25-1231)は、大阪で創業し、2020年で創業87年を迎える。郊外型SCやGMSを中心に出店しており、地域に愛されるジュエリーショップを展開している。同社の代表取締役社長 菅田拓平氏に話を伺った。

―― 店舗の展開状況から。
 菅田 全国24都府県において、「JEWELRY KANDA(ジュエリー カンダ)」を中心に103店を展開しており、立地は9割がSC(GMS含む)内だ。路面店は、本社がある本店、OKAYAMA店(岡山市)、麻生船町本店(広島県福山市)、浜田本店(島根県浜田市)、蒲田店(東京都大田区)、新小岩駅前店(東京都葛飾区)の計6店を展開している。
 近年は、さが美の宝飾事業部から08年に譲り受けたジュエリーショップと既存店の混在していたエリアの店舗オペレーションを再編した。これにより、関ケ原を境に東日本エリアを(株)カンダキラット、西日本エリアを菅田(株)、山陰エリアを(株)ニッタが運営し、グループ内のオペレーションがスムーズになった。加えて、屋号の統一も進めている。

―― 客層やMDの特徴は。
 菅田 40~50代のミセスの方が中心で、自家需要のほか、娘や孫への記念日ギフトで利用される方が多い。
 MDは、競合他社のジュエリーショップと比較しても地域性が強いのが特徴だ。店舗フォーマットはあるが、3~5割は立地や客層に合わせて、セレクト商品や時計、ブライダル、オリジナルブランドを駆使して入れ替えている。
 直近では、アルカキット錦糸町に出店したキラットでMDを大幅に刷新し、耳周りのジュエリーを増やした。錦糸町駅の南口にパルコが誕生したことで、駅周辺の客層や人の流れが変化しているからだ。耳周りを中心としたトレンド商品を導入し、特に若い方やニューファミリーなど駅から流れてくる人を取り込んでいきたい。
 また、ららぽーと海老名では、「And Luna」という屋号と店舗デザインにするなど、接客するスタッフが販売しやすい業態やMDにしているのも当社の特徴だ。昨今の人材不足の中、スタッフを大切にし、年代を問わず働ける環境づくりに注力している。

―― 貴社ならではの取り組みなど。
KIRAT アルカキット錦糸町店
KIRAT アルカキット錦糸町店
 菅田 長崎県の真珠養殖会社と提携・開発した「白百合真珠」を販売している。物を売るだけでなく、次の付加価値を求めていく中で、海を綺麗にする活動を行うなどして真珠を養殖する持続可能な社会(SDGs)の考えに賛同し、我々も大切に販売している。無調色にこだわった白百合真珠の美しさは農林水産大臣賞も受賞しており、お客様からの反応も良い。
 当社は、生産者、販売者、お客様といった人と人のつながりや、心と心の触れ合いを一番大切にしている。企業やブランドが持つストーリーにお客様が共感し購入するというのではなく、お客様が求めるストーリーに寄り添えるような良い品を届けていきたい。

―― 最後に出店について。
 菅田 出店対象は、館の規模が年間売上高100億円を目安とし、実際に足を運んでみて地域性を加味しながら出店を行っており、近年は年間2~4店出店している。今後は、アルカキット錦糸町のように生活エリアにある駅チカや駅ビルへの出店にもチャレンジしていきたい。
 一方で、店舗のリロケーション以外に、地方SCやGMSの館自体の閉店が増えたこともあり、2~3店閉めている。店舗の純増は少なくなっているが、一つの目標とする100店体制を5~6年前に達成したため、今は既存店の収益性や人材の確保など次のステージに向けて準備をする時期だと考えている。これからも、お客様に寄り添い、何度でも足を運びたくなるような店舗開発を行っていく。

(聞き手・今村香里記者)
※商業施設新聞2336号(2020年3月10日)(5面)
 ☆キラリ☆磨く ジュエリー最前線 No.6

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