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第12回

プロロジスパーク海老名2、オイシックス・ラ・大地の専用施設竣工、全館冷蔵倉庫で開発


2021/8/24

プロロジスパーク海老名2
プロロジスパーク海老名2
 プロロジス(日本本社=東京都千代田区丸の内2-7-3、Tel.03-6860-9090)は、神奈川県海老名市で物流施設「プロロジスパーク海老名2」の竣工式を実施した。食品宅配サービスを展開するオイシックス・ラ・大地(株)(東京都品川区大崎1-11-2、Tel.03-6867-1149)の専用施設で、全館10℃帯の冷蔵倉庫として開発。本格稼働は10月を予定している。

 同施設は、神奈川県海老名市下今泉3-11-1の敷地1万7043.98m²にRC一部S造り4階建て延べ床面積3万8510.65m²で建設されている。大型車両が2階部分へ直接アクセス可能なスロープを設置し、ドックシェルターを備えたトラックバースを1・2階に合計40台分整備。約110台分の自動車用駐車場を整備し、住宅が立地する敷地東側には防音壁を設置している。

 BCP(事業継続計画)対応の一環として、緊急地震速報や衛星電話、停電時にも簡易発電機の接続により開閉可能な電動シャッターを導入したほか、緊急時の荷物搬出口として3~4階にマシンハッチを設置。近年増加傾向の水害への対策として、キュービクルの設置高さを約2mかさ上げしている。

 環境負荷低減に向け、屋根面に約7000kWの太陽光発電設備を導入。倉庫部分にはプロロジスが開発し、通常のLED比で電気使用量が半減できる高天井用センサー付きLED照明を設置。施設内で使用する電力はグリーン電力を利用することが決定している。

 通常、賃貸型の冷凍・冷蔵倉庫は常温倉庫をベースにユーザーが後から冷蔵設備を導入するが、オイシックス・ラ・大地の要望を受け、プロロジスが当初から施設全体を冷蔵倉庫として開発。工期の短縮と入居企業の負担低減を図った。このような開発手法は、プロロジスでは初めての取り組みで、同社では今後もこうした開発手法を進めていく方針である。また、施設の1階にはオイシックス・ラ・大地が冷凍倉庫の導入も進めている。

 オイシックス・ラ・大地は、Oisix、らでぃっしゅぼーや、大地を守る会が統合してできた会社で、ウェブサイトやカタログによる一般消費者への有機野菜、特別栽培農産物、無添加加工食品など、安全性に配慮した食品・食材の販売を行っている。同社ではこの施設を「ORD海老名ステーション」として活用。宅配サービスブランドOisixの専用施設となり、全国の契約農家から入荷した野菜や生鮮食品を集約し、各地域に出荷するための拠点となる。

 計画当初は、既存の施設の段階的な拡大で、この施設の開所まで対応する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛による宅配需要増により、Oisix事業でキャパオーバーが発生。他事業の拠点を転用するなどで対応したため、Oisix事業の拠点が分散していた。オイシックス・ラ・大地 代表取締役社長の髙島宏平氏は「分散した拠点を改めて集約し、この施設をマスターセンターとして位置づけ、成功モデルとして増やしていきたい」とコメントしている。

山田御酒社長(左)と高島宏平社長
山田御酒社長(左)と高島宏平社長
 一方、プロロジス 代表取締役社長の山田御酒氏は「通常倉庫だけでは差別化が図りにくい。今回の冷蔵倉庫のような差別化や自動化、ロボット化などシステム込みでの提案もしていきたい。またマルチテナント型での冷凍・冷蔵倉庫も手がけていきたい」と語っている。
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