電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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11月25日に輸出規制など議論


~オンラインセミナー第2弾を開催~

2021/11/12

シニアコンサルティングディレクター 南川明氏に聞く
シニアコンサルティングディレクター 南川明氏に聞く
 大手調査会社のOMDIAは、11月25日13時からオンラインセミナーイベント「Global Semiconductor Day Fall 2021 半導体業界の今を解く鍵~2022年展望―市場・サプライチェーン・輸出規制の各動向~」を開催する。基調講演を担当するシニアコンサルティングディレクターの南川明氏にプログラムの概要や注目点を伺った。

―― 8月3日に開催したセミナーに続く第2弾となりますね。
 南川 第1弾は「今後のカギを握るグローバル半導体サプライチェーンの在り方」というテーマで開催したが、米中のデカップリングがさらに進み、「各社が独自の判断で海外企業とビジネス展開をする比重を増やすべき」という意見が最も多く聞かれ、「政治とビジネスの区分を明確にして、企業はビジネス強化に注力するべき」というまとめができた。
 第2弾の今回は、新たな輸出規制の見直しや技術流出防止に関する取り決めが進むなか、企業は自社の判断で安全保障とビジネスのバランスを判断する必要に迫られていることを念頭に置き、改めて輸出規制の現状を整理し、具体的に日本企業の取るべき具体策にまで踏み込んだ議論をしたい。また、22年以降の半導体不足がどうなるのか、中期的な半導体市場も展望するつもりだ。

―― プログラムは。
 南川 OMDIAからは私が「米中摩擦、カーボンニュートラル、DX化によるエレクトロニクス産業の変化」、コンサルティングディレクターの杉山和弘が「半導体不足どうなる 2022年の業界トレンド予測」と題して講演する。半導体不足がさらに深刻化するのか、改善する見込みがあるのかなどの見通しを披露したい。

―― 他の講演者は。
 南川 経済産業省貿易経済協力局貿易管理部技術調査室長の田中伸彦氏、キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹の瀬口清之氏、日本半導体製造装置協会(SEAJ)専務理事の渡部潔氏をお招きし、それぞれの立場から経済安全保障政策や混迷する米中対立と中国経済の展望、輸出の管理や規制などについて講演いただく予定だ。

―― パネルディスカッションも実施しますね。
 南川 「2022年 半導体産業を取り巻く展望」と題して、セミナー全体を総括する。
 これは私個人の見解だが、輸出規制に関しては「過度に規制しすぎるのは日本にとって良くない」と考えている。19年に起きた日韓のホワイト国外しが、結果として韓国の国産化意欲に火をつけることになった。長期視点で見れば、過度な規制は日本のシェア低下につながりかねない。そのため基本的に自由貿易であることが理想だが、一方で、軍事への転用や再輸出の防止・管理といった取り組みも不可欠だ。

―― 経済安全保障はどうお考えですか。
 南川 半導体が「要」であることは、いまや世界の常識となった。日本にとって、TSMCの誘致成功は喜ばしいニュースではあるが、今よりもっと製造装置や材料分野を強化し、日本の半導体メーカーそのものを強くしていく必要があり、こうした一連の動きが安全保障につながっていくのだと考えている。
 企業自身が果たすべき責任もきわめて大きい。特に日本の半導体メーカーは経営を大きく革新していく必要がある。海外企業と積極的にコラボレーションしたり、場合によっては経営者を海外から招聘するといった大胆な改革も必要だろう。

(聞き手・特別編集委員 津村明宏)


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 「Global Semiconductor Day Fall 2021 半導体業界の今を解く鍵~2022年展望―市場・サプライチェーン・輸出規制の各動向~」の詳細はhttps://omdia.oatnd.com/global-semiconductor-day-fall2021まで。
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