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No.69

ジェトロ、ケニアビジネスフォーラムを開催、大統領が投資を呼びかけ


2024/3/5

ウィリアム・サモエイ・ルト大統領
ウィリアム・サモエイ・ルト大統領
 日本貿易振興機構(ジェトロ)主催によるケニアビジネスフォーラムが2月8日、東京都内のジェトロ本部で開催された。ケニアのウィリアム・サモエイ・ルト大統領が自ら講演し、日本企業のケニアへの投資などを広く呼びかけた。

 このフォーラムでは、辻清人外務副大臣が開会の挨拶を行い、「2023年にケニアと日本の外交は60周年を迎えた。両国の関係を緊密に発展させていきたい」と語った。フォーラムの中盤では吉田宣弘経済産業大臣政務官も挨拶している。

 ケニアに進出している日系企業として、豊田通商(株)取締役会長の村上晃彦氏、住友商事(株)理事 プラットフォーム事業本部長の樫木克哉氏、双日(株)常務執行役員 リテール・コンシューマーサービス本部長の村井宏人氏が講演した。

 豊田通商は、ケニアでは自動車の現地生産と販売、医薬品、再生可能エネルギーなどに投資をしてきている。再生可能エネルギーでは、従来の地熱発電に加えて、グループ会社のユーラスエナジーの強みを活かした、風力発電、太陽光発電を進めていく。また、自動車については、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、バッテリー電気自動車(BEV)、燃料電池車(FCV)などを適材適所で使うマルチパスウェイを進めており、アフリカでは既存インフラを使えるHVが重要であるとしている。

 住友商事では、ボーダフォングループのサファリコムケニアなどと電気通信のプロジェクトを進めている。また、ケニアにはスマートフォン(スマホ)の組立工場を設置。22年1月から月間10万台で生産を開始しており、25年末までにはこれを同15万台に拡大する計画。求めやすいスマホをケニア国内に提供している。

 双日は、1920年にケニアのモンバサに事業所を開設。2021年には双日東アフリカを設立した。23年5月には即席めんの製造・販売の合弁会社を設立し、同年6月から生産を開始。現在月販100万食を超えており、将来的には市場シェア20%を目指す。ケニア周辺各国への輸出も開始しており、製造、流通、小売りまでさらなる事業拡大を図っていく。

 続いてケニアの経済団体から、ケニア商工会議所会頭のエリック・ルト氏とケニア民間セクター連合のキャロル・カリウキ氏が講演した。

 エリック・ルト氏は「ケニアはアフリカのハブでゲートウエイである。このネットワークを活用し皆様のプロダクトを広く届けることができる。ケニア、アフリカへの成長に投資をしていただきたい」と語った。

 キャロル・カリウキ氏は、ケニアのビジネス環境や投資環境などを説明。ケニアには現在15の経済特区が登録されていることなどを紹介し「日本企業の皆様にはケニア、アフリカに参入していただきたい」と語った。

 次に、ケニアの投資・貿易・産業長官のレベッカ・ミアノ氏が講演。ケニアへの投資が安全であること、様々な税優遇措置があること、投資の機会がたくさんあり、日本への輸出も可能であることなどを強調した。

 最後にウィリアム・サモエイ・ルト大統領が講演した。大統領はケニアでは毎年教育に50億ドル以上を投資しており、スキルや専門性の高い人材が豊富であること、世界中に影響を及ぼしている気候変動に対し、アフリカでは再エネのリソースが多くあること、食料の安全保障に対して、アフリカには世界の肥沃な土地の3分の1があることなどを紹介。製造業が重要な柱であり、多くの企業と共同することで製造業を加速させていきたいとした。大統領は「日本とケニアは同じ価値観を有しており、日本の企業がケニアで活躍することは非常に容易なことである。両国で投資を拡大していただきたい」と語った。
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