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北原国際病院の浜崎千賀氏、カンボジアの救命救急センターを紹介


初の脳卒中センターなど4センターと日本で遠隔医療/日本から出張手術を提供

2016/8/23

浜崎千賀氏
浜崎千賀氏
 (一社)日本医療機器産業連合会が6月28日に開催した第2回医療機器ビジネス国際セミナーにおいて、(医)社団 KNI 北原国際病院 経営企画室室長の浜崎千賀氏が、講演「カンボジアでの救命救急センター設立について~現地に根付く医療システムをつくるには~」を行った。

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◆HHRD・プロジェクト基本構想
 浜崎氏は、東京都八王子市の北原国際病院、北原リハビリテーション病院、宮城県東松島市の北原ライフサポートクリニック東松島をはじめとする北原グループを紹介。医療機器の輸出、健康増進・予防・生活関連産業の輸出、さらに医療の国際展開で構成する日本再興戦略を紹介したうえで、HHRD(Healthcare and Human Resource Development Project)・プロジェクト基本構想の説明に入った。

 プロジェクトは、カンボジアの首都、プノンペンに脳外科主体の救命救急センターを開設、日本の高機能・高品質な医療サービスの提供、高品質な医療のパッケージ輸出とともに、人材育成(ASEAN各地で必要とされる医療人材の育成:OJTプログラムから独自の認証発行、教育機関設立まで)を進める。そのなかで、日本のショールームとしての新しい医療(医療産業および各種生活産業のパッケージ輸出と同時に、日本技術や産業、文化のショールーム化を目指す)、町おこし・国おこし(「医療」をツールに社会課題解決を促す地域産業モデルを形成し、新興国の経済発展に寄与)の機能を担おうというプロジェクトだ。

◆12年にカンボジアでクリニックを開業
 北原グループのカンボジアでの活動は長く、2008年のタイの王立銀行総裁の提案により調査を開始したことにさかのぼる。ERIA(東アジアアセアン経済研究センター)の委託研究とプロジェクト立案、経済産業省委託調査の本格的なFS実施、カンボジア保健副大臣日本将兵(日揮横浜本社訪問)などの活動、協議を経て、12年にKitahara Japan Clinicを開設した。

 浜崎氏は、カンボジアは、経済発展と医療レベルの乖離が大きく、法律規制が少なく、参入障壁が低い、広域経済圏に属し、ASEAN市場全体への進出の足がかりとなる、親日で治安が比較的良いといったメリットを紹介。続けて、カンボジアの医療の概況として、例えば、プノンペン市内の大病院では、医療機器設備は整っているが、使いこなせていない。MRIはあるが、必要な撮影方法がわからない。手術用顕微鏡はあるが、国外から医師が出張した場合に用いるのみ。血管撮影装置はあるが、脳血管撮影は行っていないなどと解説したうえで、カンボジアでの事業活動の展望の説明に移った。

(続きは本紙で)

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