商業施設新聞
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No.480

“パルコ”のない大阪


岡田 光

2014/11/4

 (株)パルコのマスコミ懇親会に初めて出席した。同社は東京都に本社を置くため、大阪支局に勤務する筆者は普段は広報の方と電話でやりとりを行う程度であったが、名古屋市内のホテルで開かれた同会では、広報/IR室のほかに、宣伝部、そして名古屋店の担当者の方も多数参加され、様々な人と交流を深めることができた。

 同会は名古屋パルコが大規模リニューアルを実施するという発表も兼ねており、当然のことながら、話題は名古屋パルコの現況が中心となった。名古屋店の店長である山木知行氏は、「上期(3~8月)は前年実績を下回った」と語り、その理由として「消費増税の影響と、改装に伴う閉店」を挙げた。悔しさをにじませた表情であったが、「現在は前年比50~60%増で推移しており、この9~10月のリニューアルオープンで盛り返しを図りたい」と、意気込みも語っていた。

 2014年に25周年を迎えた名古屋パルコは、13年度より「リ プロデュース計画」をスタートさせており、13年度は開業15周年を迎えた南館を、大人の男女のライフスタイルビルへと改装し、3館のMD構造の再編に着手。そして、14年度は秋より25周年キャンペーンを本格始動し、ビルコンセプト《五感を刺激する「ライブエンタテインメント型ファッションビル」》の具現化に向け、様々なイベントやキャンペーン、改装を実施する。
 改装は名古屋ゼロゲートの開業による動員効果の最大化、ならびに急速に進む消費構造の変化に対応すべく、名古屋エリア初出店28店、新業態11店(そのうち全国初出店は7店)を含めた88店/約5400m²の大規模リニューアルを実施。《30代の女性が楽しめるパルコ》をテーマに、西館のレディスファッションを改装するほか、矢場駅直結の利便性が高い東館の地下1階では、共用部分を含む全面改装を実施し、気の利いたパーソナルギフトが揃う新しいエントランスフロアとして刷新を図る。

 もちろん、同会は名古屋パルコの話だけで終わることもなく、お酒が進むにつれ、他店の状況も話題に上った。同社全体の上期における売上高は、前年実績をわずかに上回っており、その好調を支えたのが、渋谷パルコと福岡パルコである。渋谷パルコでは、「ジャパンモード」や「ワンピース」など、ここにしかないショップを導入したことが好結果を生んだ。一方、福岡パルコは10年3月に開業して、13年度は過去最高の売上高を記録しており、14年度も11月に新館がオープンすることから、「福岡パルコの売上高は、名古屋パルコ、渋谷パルコ、池袋パルコ、浦和パルコに次ぐ5番目の規模に拡大するかも」と、期待を込めるようなコメントもあった。

心斎橋に立地する「大丸心斎橋店」
心斎橋に立地する「大丸心斎橋店」
 大阪勤務の筆者にとっては、これらの話題よりも、関西エリア、いや大阪に“パルコ”をいつ出店するのか、その一点に大きな関心を寄せていたが、同会でも明瞭な答えは返ってこなかった。心斎橋パルコが閉店して3年余り。「大丸心斎橋店」は今も営業を続けているが、その周辺では、(株)ユニクロがグローバル旗艦店の「ユニクロ心斎橋店」を開店し、外資系ファストファッション企業も「ザラ」「ベルシュカ」「H&M」「ウィークデイ」「モンキ」「フォーエバー21」といった新店を相次いでオープンさせており、同エリアのアパレル店は飽和状態を迎えているという見方もある。
 しかし、それでも大阪に“パルコ”の名前が見当たらないのは、寂しいの一言に尽きる。心斎橋パルコ、梅田パルコ、大阪パルコなどなど、いまだ想像の域を脱しないが、関西人の会話から“パルコ”の名前が消えないように、ぜひ関西エリア、とりわけ大阪への出店を前向きに検討していただきたいと思う。
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