坂善商事(株)が展開する大きいサイズの専門店「サカゼン」について、先日取材の機会をいただいた。店づくりは実にユニークで、大きいサイズを求める人の特有の悩みに応える工夫が随所にあり、感心させられた。また、ファッションを楽しんでもらいたいという考えやそのアプローチ方法もよく理解できた。今後は商業施設への出店も積極的に行っていく考えで、これから目にする機会も増えそうだ。
3月にオープンした「サカゼン イオンモールつくば店」
筆者が持つサカゼンのイメージは、やはり大きいサイズを扱う店だということ。実際に売り上げの約半分がこの大きいサイズの専門店が占めているが、残りは通常サイズの紳士服や婦人服、海外ハイブランドのセレクトショップなどが占めている。同社は1946年に創業し今年で創業80周年を迎えるが、大きいサイズの取り扱いを始めたのは約40年前だそうで、元々は通常サイズの洋服店からスタートしたという。その後、ニーズの変化で徐々に今のビジネスモデルにシフトしていき、店舗展開として大きいサイズの専門店を加速し始めたのは2010年ごろから。今や大きいサイズを扱うアパレル企業として知名度が高い。
取材を通して印象的だったのは、売り場づくり・店づくりに対するこだわりである。大きいサイズの専門店であるため、利用客も大柄の人が多い。そのため、試着室のスペースの確保は必須で、売り場づくりのかなり早い段階で試着室の配置場所を決めるという。しかも試着室には扇風機を設置し快適性を高める。ほかにも店内にはウォーターサーバーを置いたり、冬でも冷房を入れたりなど細かい配慮もしている。これらの取り組みがSNS上で「サカゼンはわかってる!」と称賛されているそうで、こうした利用客の声は最も嬉しい言葉であると担当者は誇らしげに語っていた。SNSの声は確実にリピートにつながり、再来店の大きなきっかけにつながっているという。
「ファッションが選べる楽しみを提供したい」という想いも印象に残った。大きいサイズはどうしても選べる選択肢が狭い。これを同社は大きな課題だとしており、商品バリエーションを拡充するため、25年秋には新たなPBブランドも立ち上げ、ファッションを選んで楽しんでもらうための取り組みを強化している。「着られるものを探す」のではなく「着たい・自分が表現したいものを着てファッションを楽しんでもらう」ということを、ここ最近は商品コンセプトに入れていると担当者は話した。