商業施設新聞
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No.1024

道頓堀周辺に新たな仲間が登場


北田啓貴

2025/9/22

 9月7日の日曜日、プロ野球チームの阪神タイガースがセ・リーグ優勝を果たし、関西各地で人々が熱狂していた。その熱狂の中で、注目されたことの一つが大阪・道頓堀だ。阪神タイガースが優勝すると、グリコの看板が見える戎橋に人が集まるだけでなく、道頓堀川へダイブする人が続出するのだ。そのため、阪神タイガース優勝の熱狂ぶりを紹介するのに、大阪市道頓堀エリアの動向がニュースでも優勝の瞬間の次にフューチャーされる。ちなみに今回の優勝では29人が道頓堀川にダイブした。戎橋両端のスロープを封鎖したが、遊歩道から川に飛び込んだのだという。

十二単を身に着けて正座する高さ6.7mの黒毛和牛の立体看板
十二単を身に着けて正座する高さ6.7mの黒毛和牛の立体看板
 道頓堀川に入るのは人だけではない。1985年に阪神タイガースが優勝した際、熱狂した人々がケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の店頭にあったカーネル・サンダースの像を道頓堀川に投げ入れてしまった。そこから、阪神タイガースは2003年までの18年間優勝できず、「カーネル・サンダースの呪い」とも言われていた。今回の優勝については人以外が飛び込むことはなかったが、「串かつだるま道頓堀店」では、店頭にある人形「だるま大臣」に救命胴衣が着けられており、話題となっていた。

 道頓堀エリアは派手な装飾が多い。グリコの看板をはじめ、かに道楽のかにや金龍ラーメンの龍の立体看板など、ここでしか見られない多種多様な店舗の装飾が街を彩っている。今夏、そこに新たに仲間入りしたのが、㈱柴田がリニューアルオープンした「黒毛和牛一頭買い焼肉 道頓堀みつる 本店」だ。道頓堀商店街側の壁面には、十二単を身に着けて座る黒毛和牛の立体看板がある。道頓堀川に面したビルの北側には、牛の顔をしたランナーが太陽の塔や通天閣、くいだおれ太郎などが並ぶ大阪の街を駆け抜けてゴールする様子を描いた巨大看板を設置した。こうした巨大看板を設置することで、道頓堀エリアの賑わいを創出するとともに、店舗としては認知度の向上を図り、集客力を強化していくという。

 道頓堀エリアはインバウンドを中心に常に混雑していて、余裕をもって歩くことは厳しいかもしれない。しかし店が開く前、早朝であればあまり混雑しておらず、少し余裕がある。もし道頓堀エリアのホテルに泊まるか、朝から用事でこの周辺に行く際は、見上げて、立体看板散策をすれば、よい思い出になる。
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