(株)AOKI(横浜市都筑区)が展開するビジネスカジュアル(ビジカジ)専門店「ORIHICA」は、ビジネスウエア業界でいち早くビジカジを提案・展開し、この分野を牽引している。店舗は国内主要エリアなどに約120店を有し、今後も積極的な出店を継続して200店体制を目指す。ORIHICAについて、同社取締役執行役員の西沢一史氏に聞いた。
―― ORIHICAの紹介から。
西沢 「Key to the new lifestyle」のコンセプトのもと、ビジネスウエアにおいて、新しい・次世代のカギとなるブランドになりたいという想いでスタートし、これは今も変わらない。さらに近年は「最高のスマートビズスタイルを」という明確化したコンセプトも加え、スタイリッシュでスマートなビジカジスタイルを提案している。
お客様は30~40代の男性客が多いが、徐々にレディースの商品も増やしており、それに伴い女性客も増加傾向にある。商品はジャケットやパンツが中心となるが、ニット、シャツ、ブラウスなどのインナー系も高い支持をいただいている。
―― 店舗数は。
西沢 ECを含め全国に約120店を展開している。池袋や名駅など初期に出店した路面店もあるが、現在はほとんどがショッピングセンター(SC)内のテナント出店だ。「AOKI」の郊外ロードサイド型の店舗展開にならって、ORIHICAも初期は路面店の展開があったが、徐々にテナント出店にシフトした。出店先は広域型SC(RSC)が多く、標準的な店舗サイズは約75坪。基本的に約50坪あれば出店可能で、RSCなら75~80坪程度あるとやりやすい。
―― 足元の状況は。
西沢 ORIHICA単体の業績は公表していないが、2026年3月期上期における当社ファッション事業の売上高は386億6300万円(前年同期比1.0%増)で、ORIHICAの売り上げも前年同期をクリアし好調である。
―― 好調なカテゴリーは。
西沢 ジャケットやパンツといった主力商品に加え、最近はニット類も動きが良い。また、近年売れ行きが鈍かったコートだが、今期はカジュアル系コートの需要が高い。価格帯ではジャケットが約2万円、パンツが約1万円、セットで約3万円のプライスが一番売れるゾーンだ。
―― 強み、特徴は。
西沢 AOKIとも共通するが、品質にこだわったモノづくりを行っている点が挙げられる。全商品に厳格な品質基準を設けており、それをクリアしなければならない。また、繊維製品品質管理士(TES)という公的な資格があるのだが、ORIHICAの商品部では約60%の社員が同資格を取得している。これは業界でもトップクラス。品質にこだわり、しっかりした基礎知識を持ったメンバーがモノづくりを行うところも強みだ。ほかにも縫製技術やスタイリッシュに見えるデザイン、シワになりにくく、家庭でマシンウォッシュ可能なイージーケアなども重要な要素として商品開発を行っている。
―― 出店について。
ORIHICAは200店を目指して積極的な出店を進める
西沢 26年3月期のORIHICAは出店20店を計画し、1月14日時点で15店がオープンした。今後残りの店舗も順次オープンする予定だ。特に直近2~3年は、年15~20店のペースを目標とした出店計画を掲げている。26年3月期以降もこのペースを維持した出店を行っていく。
26年3月期は、25年10月に初のメンズ単独店「横浜ジョイナス店」をORIHICA最小の30坪で開業するなど新たな取り組みを行った。また、25年9月に北海道初進出の「新さっぽろサンピアザ店」、10月に「イオンモール苫小牧店」を、24年に初進出した九州では25年3月に「ヨドバシ博多店」、10月に「キャナルシティ博多店」をオープンし、未進出エリアでのドミナント展開が進んだ。この2エリアはさらにドミナント展開を行い、そのほかの既存展開エリアでも出店を継続する。地方での知名度向上も必要だと感じるので、自社競合が発生しないようバランスを取りながら出店を進める。
―― 商品面の戦略は。
西沢 レディースはオフィスカジュアル(オフィカジ)としてニットやカットソー、ブラウスなどの商品を強化する考えで、外部の知見を取り入れるための施策を検討しており、オリジナル商品の拡充を図る。26年春夏では、東レ(株)と協同企画した防透け、遮熱などの特徴を持つ素材「ORITEX」を使用したブラウスを新たに展開する。お客様から声の多かった「透ける」という悩みに対応するもので、薄い素材で軽やかに着られて、しかも透けにくいという商品だ。メンズはスポーツウエアのような伸縮性のある素材でセットアップ、シャツなどを展開するシリーズ「BIZSPO」を拡大していきたい。
―― 目標やORIHICAの目指す姿は。
西沢 店舗数では、5~6年かけて200店体制を目指したい。新設のSCや好立地な商業施設への出店を進めていく。
ORIHICAの認知度はまだ高くはないため、今後のブランディングが重要だ。ビジカジ・オフィカジ=ORIHICAと思ってもらえるようなブランドになり、お客様のニーズに的確に応えられる親切・丁寧な接客サービスを提供する。
スーツ業界全体が苦戦を強いられている中、ビジカジ・オフィカジの分野はまだ成長余地があると思うし、その中でORIHICAは品質や機能性などこだわりを持った商品開発でさらなる成長を目指したい。
(聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2635号(2026年2月24日)(6面)
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