(株)アクトコミュニティ(名古屋市中区)は、「お米と焼肉 肉のよいち」「昼だけうなぎ屋」「炭火鰻と特選和牛 ふじさん」など、焼肉、鰻といった多様な飲食ブランドを駅前やロードサイドで展開している。和牛などの高級食材を気軽に利用できる業態とすることで、若年層、ファミリー層、シニア層など幅広い客層を獲得している。今後もフランチャイズ(FC)を中心に積極的な出店を行う計画で、商業施設からの引き合いも増えているという。同社代表取締役の柳瀬雅斗氏に聞いた。
―― 現在の店舗数、足元の状況から。
柳瀬 全社で約55店を展開し、肉のよいちが約30店、昼だけうなぎ屋が13店、ふじさんが4店を展開している。このほか居酒屋もあり、いずれも東海エリアを中心に出店している。業績は好調で、会社全体の売り上げは2025年2月期が32億円、26年2月期は25年11月時点で前期を超え、過去最高を記録した。
―― 各業態の特徴は。
柳瀬 当社のやっていることはシンプルで、高級食材をカジュアルダウン・大衆化し、普段使いとして使ってもらうことをテーマに焼肉、鰻、居酒屋などを展開している。例えば肉のよいちは、A5和牛の肉が楽しめるブランドながら客単価はランチが約2000円、ディナーが約4000円と気軽に使えるため、リピーターが非常に多い。
―― 肉のよいちはご飯にこだわっているのも特徴ですね。
柳瀬 釜炊きご飯とA5和牛が楽しめる。成功している外食はサイドメニューが強い。焼肉をやると考えた時、注力するサイドメニューはご飯だと思った。
―― 肉のよいちの既存店の状況は。
柳瀬 「名駅本店」は今年7年目で過去最高の業績を記録するなど、既存店はいずれも好調に推移している。また、マレーシアにも2店あり、こちらも足元は堅調だ。
―― 昼だけうなぎ屋、ふじさんについて。
柳瀬 昼だけうなぎ屋は、間借りで営業するのが特徴。生のニホンウナギを使用し、これを炭で生から地焼きする関西焼きで提供するが、1尾使用しても3000円未満で提供している。間借りとして大きな初期費用がかからず、営業時間が3時間のため、人件費もそこまで大きくなく、高コスパを実現できている。
―― ウナギはどこまで店内で調理しているのですか。
柳瀬 すべて店内で調理している。地焼きする関西焼きは工場加工が難しく、店内調理を高コスパで提供することが差別化にもなっている。肝心の職人の部分については、教本を作り、数値化・言語化して再現的に職人を作っている。これにより例えば、経験値が少ない人でも数カ月で鰻が焼けるようなり、これまで25人ほどの職人を作った実績もある。
ふじさんは和牛ひつまぶしと鰻を提供し、主にロードサイドで展開している。鰻がメーン商品で、変わり映えメニューとして和牛ひつまぶしがあるイメージ。こちらは昼から夜までの営業時間で鰻を提供し、価格帯は昼だけうなぎ屋と同じ2000円台である。
―― この2ブランドの状況は。
柳瀬 昼だけうなぎ屋は25年9月に東京・池袋へ進出するなど、出店の引き合いは多く、好調な店舗は昼だけの営業にも関わらず1000万円を売り上げる。店舗は中京を中心に、大阪にも2店ある。ふじさんも好調に推移しており、今後さらに伸ばしたいブランドだ。ふじさんは商業施設での引き合いもあり、今後出店の検討を進めていきたい。
―― 今後の出店について。
柳瀬 当社はFCを中心とした店舗展開で約8割がFC店。26年度の出店は肉のよいちが国内直営2店、海外直営2店、FC4店の8店、昼だけうなぎ屋は多くの出店オファーがあり24店を出店する予定。1地方(1エリア)2社(加盟店)までのFC展開と決めているので、地域を限定しながらの出店となる。
―― 貴社のFCに加盟するメリットは。
柳瀬 一番は売り上げだ。茨城県神栖市のロードサイドにある個人経営の焼肉店が約1年前に肉のよいちのFC店になり、売り上げが従前の5~6倍に伸びた。商品の品質と、お客様への分かりやすさが重要で、当社のカジュアルな感じで気取らずに炊きたてご飯とA5和牛を食べに来てほしいというコンセプトが、ファミリー層にハマったのだと思う。また、この売り上げ増加を支えるのが仕入れ力。当社はスケールメリットを生かして、店舗数分をまとめて年間で買い上げていて、優位性を持った仕入れができている。
―― 新業態の構想は。
柳瀬 黒毛和牛A5のハンバーグ専門店を中京エリアに今春オープンする計画を進めている。ミシュラン3つ星を獲得したシェフが監修し、それが1000円で食べられる高付加価値の店舗として展開する。
―― 中長期のビジョンは。
柳瀬 焼肉、鰻、居酒屋の3事業を柱に、今それぞれ1~2ブランドを有しているが、今後各事業で様々なブランドを開発する。例えば焼肉なら駅前型のワーカー向けだったり、前述したハンバーグ専門店などもある。こうしたブランド開発を積極的に進め、全店で300店体制を目指す。
(聞き手・編集長 高橋直也/副編集長 若山智令)
商業施設新聞2637号(2026年3月10日)(8面)
経営者の目線 外食インタビュー