電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第681回

サムスン、SK、マイクロンの巨大投資が開始


半導体メモリーは爆裂成長しており、各社とも投資資金の調達を推進

2026/7/17

 世界的なAIブームに合わせて半導体メモリーの爆裂成長が始まった。特に、DRAM市場が活発化しており、HBMの投資が猛烈な勢いで拡大している。なかでも積極的な投資を行っている企業がサムスン電子で、2026年は同社史上最大の12兆円を投入する。この投資額には研究開発も含まれているが、他社の追随を許さない水準であることは間違いない。

 サムスンはこうした投資に加え、従業員に対するケアも強化している。その1つとして、26年の業績に連動した従業員向けの株式報酬の原資とするために自社株買いを検討している。サムスンの経営陣と労働組合は賃金交渉で合意しているが、これによればサムスンは年間営業利益の10.5%を半導体部門への特別賞与として株式のかたちで拠出する。こうしたサムスンの施策を株式市場は大きく評価し、時価総額はSKハイニックスを上回った。

 また、サムスングループは今後10年間で1000兆ウォンを韓国国内に投資する計画も発表。この投資には、韓国南西部に超大型の半導体工場を建設するための300兆ウォンが含まれているようだ。

SKハイニックスはナスダックに上場(写真提供:ナスダック)
SKハイニックスはナスダックに上場(写真提供:ナスダック)
 一方、SKハイニックスは米ナスダック市場で7月10日に上場し、265億ドル(約4.3兆円)を調達した。調達した資金は韓国・龍仁市での大型半導体工場の建設、清州市での先端パッケージング工場の建設、EUV露光装置の購入などに充てられるようだ。

 米国の大手メモリーメーカーであるマイクロンの26年6~8月期の売上高の見通しが予想を上回ることが判明した。同期間の売上高は500億ドル前後となる予想であり、アナリストが予想する435億ドルを大きく上回っている。設備投資についても100億ドルを投入するなど積極姿勢が目立つ(注・26年度通期では270億ドルを計画)。

 ちなみに、韓国のサムスンとSKはこうした韓国国内における半導体投資を強烈に推進しているが、両社ともに日本国内に進出するという話も出てきている。特に、SKハイニックスは日本国内に数十万m²の工場用地を取得する見込みであり、どの県に立地するのかが大きな関心を集めている。また、サムスンもチップレットなどの後工程工場を日本国内に設ける構想があるようで、こちらの進出先も気になるところだ。日韓関係は改善の傾向がみられ、さらに半導体という分野において融和が図れるということであるからして、これは素晴らしいと言えるだろう。


泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 執行役会長。著書には『自動車世界戦争』、『日・米・中IoT最終戦争』(以上、東洋経済新報社)、『伝説 ソニーの半導体』、『日本半導体産業 激動の21年史 2000年~2021年』、『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』(産業タイムズ社)など27冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。
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