電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第679回

韓国のSKハイニックスの一大飛躍の時代がやってきた!


キオクシアの株も多く保有、5年間でウエハー能力倍増の勢い

2026/7/3

 韓国のSKハイニックスは、今や半導体の世界ランキングで第3位の地位に上昇してきたのだ。2025年の売上高は606億ドルに達しており、前年比で言えば37.2%増となっており、凄まじい伸びを示した。これを上回る伸びは、世界ランキング1位のエヌビディアだけであり、同社は前年比63.9%増である。

 「このSKの大躍進ぶりはまさに驚くべくことだ。何しろ、三十数年にわたり半導体の世界チャンピオンに君臨したインテルを抜いてしまったのだ。インテルの25年の売上は479億ドルであり、前年比で言えば3.9%減となっている。この一大半導体ブームの中でマイナス成長はインテルだけであり、まさにこの会社は失楽園に向かっていると言えるだろう」

 こう語るのは、半導体業界にあって最も著名なアナリストである。その彼が言うことにはAIブームによって恩恵を受けた半導体メーカーは数多いが、これまでほとんど世界的には無名であったSKハイニックスの急成長はサプライズであり、同社がAIチップの根幹をなすHBMの量産にいち早く踏み込んだことが大きいというのだ。

 それはともかく、AIブームで大化けした日本のキオクシアは今や株式時価総額約45兆円という凄まじい伸びを見せており、ついにトヨタ、ソフトバンクを抜いて国内株式時価総額でトップに立ってしまった。キオクシア株を多く持っている人はホクホクものなのである。しかして、このキオクシア株の上昇でウフフフと笑いをかみ殺している企業が韓国にいるのだ。それがSKハイニックスなのである。

ウエハー生産能力を今後5年間で倍増させることを表明
ウエハー生産能力を今後5年間で倍増させることを表明
 同社は18年にキオクシアに約4兆ウォン(4200億円)を投じたが、これが15倍以上に膨らみ、とんでもないことになった。すなわち、現在SKハイニックスが持つキオクシア株は60兆ウォン(約6.3兆円)となっており、これでは笑いが止まらないのも無理はなかろう。

 こうしたことを背景に、SKグループの崔会長はSKハイニックスのウエハー生産能力を今後5年間で倍増させることを表明した。HBMについては、サムスンの追い上げが凄いだけにウエハー設備能力でサムスンに負けない体制を作らなければならない、との判断によるものであろう。

 そしてまた、SKグループはエヌビディアと共闘して、日本にAI専用データセンターを建設することを明らかにしたのだ。今後、日本国内に大規模電力を確保できる広い用地を物色中だという。さらに加えて、日本国内にSKグループとしては初の半導体量産工場を建設することも検討中としており、こちらも用地物色の動きを見せている。何かと話題のSKハイニックスの動きには、今後も目を離すことはできないだろう。


泉谷 渉(いずみや わたる)略歴
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者であり、現在は産業タイムズ社 執行役 会長。著書には『自動車世界戦争』、『日・米・中IoT最終戦争』(以上、東洋経済新報社)、『伝説 ソニーの半導体』、『日本半導体産業 激動の21年史 2000年~2021年』、『君はニッポン100年企業の底力を見たか!!』(産業タイムズ社)など27冊がある。一般社団法人日本電子デバイス産業協会 理事 副会長。全国各地を講演と取材で飛びまわる毎日が続く。
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