日本の8~9月は、プロスポーツが盛り上がる時期だ。サッカーでは、欧州リーグと時期を合わせるという理由から「明治安田Jリーグ」が8月に開幕し、話題を呼んだ。さらに9月にはプロバスケットボールリーグの「りそなグループ B.LEAGUE 2026-27」が開幕し、プロスポーツ熱が高まっている。ちなみ、3月に開幕したプロ野球も9~10月はペナントレースの終盤戦、リーグ優勝争いや、クライマックスシリーズ進出チームが決まるなど筆者にとっても目が離せない状況が続く。
プロスポーツが盛り上がるのは、街づくりにとっても良いことだ。試合が開催されると、競技会場の最寄り駅に多くの人が訪れ、賑わいが創出される。さらに、そのチームが上位リーグに上がると観客動員数の増加が見込まれ、より大きな競技場やアリーナの整備などが進むといった効果が期待できる。競技によっては、収容人数が一定数以上の会場を持っていることが上位リーグへの参加条件となっているものもある。
神戸市では25年春、1万人収容可能な次世代アリーナ「GLION ARENA KOBE」が開業した。このアリーナは、今シーズンからプロバスケットボールリーグの「りそなグループ B.LEAGUE 2026-27」のトップカテゴリー「B.LEAGUE PREMIER」へ参戦する「神戸ストークス」の本拠地である。加えて、「B.LEAGUE PREMIER」の試合がなくても、音楽イベントなどの会場としても稼働しており、神戸市に新たな賑わいを創出している。
今回の街づくりの核となる「GLION ARENA KOBE」
7月27日、西日本旅客鉄道(株)(JR西日本)とアリーナおよびプロバスケットボールチームをマネジメントする(株)One Bright KOBEと(株)ストークスは「アリーナ来場者数増加」や「まちの回遊性向上」の実現を目的に、神戸都心・ウォーターフロントにおけるまちづくりに関して連携を強化する方針を表明した。具体的には、スポーツや音楽イベントなどの魅力的なアリーナ体験と、JR西日本グループが展開するサービスのID基盤を掛け合わせ、より精度の高い経済効果や来場者の分析を行えるようにすることで、アリーナの熱狂を起点としたアリーナ来場者数増加やまちの回遊性向上の実現を図っていく。そしてこれを「神戸モデル」と位置づけ、日本全体に広がることを目指すという。
神戸市での連携の背景としては、JR西日本グループが三ノ宮駅周辺のまちづくりを推進し、29年度中の開業を目指して「(仮称)JR三ノ宮新駅ビル」の開発に取り組んでいることもあるが、地場のアリーナと連携し、新たな街づくりのモデルを構築するのは面白い。新たなスポーツ拠点の整備計画は全国各地で進んでいる。それを活かし、どのような街づくりを構築していくのか。今後、興味深い事例が数多く生まれてくるのが楽しみだ。