商業施設新聞
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No.644

ジャケ買いのススメ


若山 智令

2018/2/20

 大量出店を重ねるドラッグストア業界。最近のドラッグストアは何にせよ、取り扱いアイテムが豊富で、これだけあると行く機会も増える。日用品はもちろんのこと、食品、生活雑貨など、日常生活に関わる消耗品ならほとんどのものが揃っている。さすがに家具や家電まではないが、こうしたドラッグストアの守備範囲の広さが昨今の成長につながっているのだなと思う。そのうち、これも置いてるの?というものまで登場してくるかもしれない。そんなドラッグストアの商品の中で、今さらながら個人的に注目しているのが柔軟剤コーナーである。30代半ばの一般男性(筆者)が、未知なる柔軟剤の世界に足を踏み入れるのだが、未知なる商品だけに判断基準を持ち合わせていない。

 柔軟剤は、1962年に花王が販売した「花王ソフター」が日本で初めての柔軟剤であるようだ。東京の人口が1000万人を突破し、小田急百貨店新宿店がオープンした年である。同年に国内第1号の柔軟剤が誕生し、半世紀以上が経った今、再ブレークを果たしていると感じる。2017年の柔軟剤市場は約1620億円(P&G調べ)と、約8年で30%近く伸びているというデータもあり、ここ最近の発展は目覚ましいものがある。テレビでもよく柔軟剤のCMを目にするので、各社が今、力を入れているのだなと感じる人もいるかもしれない。

 そんな柔軟剤の商品ラインアップは、まさに多種多様で、同じブランドでも色々な種類が出ている。例えば、P&Gのレノアは12種類、ライオンのソフランは15種類、花王のハミング・フレアフレグランスは17種類といったように、香りや仕上がり具合で好みが選べるようになっているのだが、ここまで多いとさすがに、何を選んでいいのか分からなくなる。何なら、柔軟剤は洗剤と違って洗濯時における必須アイテムではないとすら思っている。言わば、洗ったものをふんわり仕上げて、さらにいい香りを付けてくれる“付加価値的な商品”であろう。

 こうした、必要ではないけどあったら便利だよねという商品は判断に迷う。好きな香りがあるわけでもない、柔らかさの好みはと聞かれれば、特段こだわりもない。でも、トレンド的には使ったほうが良さそうだなということで選ぶのだが、こんなところで優柔不断ぶりが存分に発揮されるとは、といった感じである。

今回は大当たりを引いた
今回は大当たりを引いた
 結局、何を基準に選んだかというと、いわゆる“ジャケ買い”(別名“パケ買い”とも言うそうだ)をした。パッケージが黒と赤紫のバラをあしらった妖艶な雰囲気が良かったからだ。でも、意外とこうした理由で商品を購入している人は多いのではないだろうか。レコードやCDもジャケ買いという名の直感で購入したこともあるし、ハズレを引いたこともあるが、当たったこともある。中身がイマイチ分からないからこそのドキドキ感を味わうにはもってこいの手法だ。ちなみに今回は大が付くほどの当たりで、とりあえずホッとした。

 商業施設において、ジャケ(=施設の外観)がカッコいいから行ってみよう、ということもあるかもしれない。そして、そこに入っているテナントならば、行ったことはないけど、店のつくりや明るい雰囲気が好きだから行ってみようとはなるのではないか。つまり、モノを売るということについては、ビジュアル面で直感的に良いと思わせることも大事なのだ。

 柔軟剤に限らず、世の中はたくさんのモノで溢れていて、初めて出会う商品は何を基準に選べばいいか分からないことも出てくる。そんな時は、それを選ぶ選択肢のひとつにジャケ買いを入れてみてもいいかもしれない。
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