商業施設新聞
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No.663

外国人はもはや助っ人にあらず


若山 智令

2018/7/10

 「助っ人外国人」と聞いて思い浮かべる人物は人それぞれだ。野球なら、古くは2度の三冠王に輝いたランディー・バースか、それまでのシーズン本塁打記録に並ぶ55本のホームランを打ったタフィー・ローズやアレックス・カブレラか、最近ならシーズン60本塁打の日本記録を持つバレンティンか……など、最強助っ人外国人の議論は終わることがない。スポーツならば、外国人は「助っ人」扱いであり、試合に出られる人数も決まっている。だが、小売り業界や飲食店などにおいては、もはや外国人は助っ人ではなく、すっかり「主力」になっていると感じる。

 業種的には、工場などの製造業が最も多い外国人雇用を抱えているが、それ以外でも、例えば、私たちに最も身近な存在であるコンビニで外国人店員を見ない日はないと思う。弊社の周りのコンビニでは、ほとんどの店で外国人が働いているので、毎朝同じ店員に会い、レジでバーコードを通してもらう。しかも、これは会社周辺に限ったことでもなく、自宅近くのコンビニやスーパーではさらに外国人店員が多い。

コンビニでは外国人店員が活躍する
コンビニでは外国人店員が活躍する
 筆者は学生時代にコンビニでのバイト経験があるが、何しろ覚えることが多くて大変だったと記憶している。レジ打ちや品出しだけならまだしも、宅急便や公共料金の支払いなどもあり、これだけでも頭がパンクしかけた。だが、今はさらに販売する商品数が増えたり、ネット通販などの荷物受け取りも対応したりと、やることが多すぎて正直今の自分にこれをこなす自信はない。だが、異国の地からやってきた彼ら・彼女らは、言葉の壁を乗り越え、日本の商慣習に対応している。筆者に対応力がないと言ってしまえばそれまでだし、例えば「アメリカのガソリンスタンドで働いてみろ」と言われたら、正直ゾッとするというのが本音だ。そう考えると、日本の小売店で働く外国人はすごいなぁと単純に思ってしまう。

 飲食業界も同様だ。ここも慢性的な人手不足が顕著で、人が足りないことで企業の業績に大きな影響を与えているところも少なくない。実際、筆者の友人で都内の飲食店の店長を務める人がいるのだが、アルバイトにも外国人の学生が数人いて、勤勉な彼ら・彼女らがいなければ店が回らないそうだ。やはりここでも助っ人ではなく、すでに主力選手としてなくてはならない存在となっている。

 2018年はインバウンドの3000万人突破が期待され、政府目標の20年に4000万人のインバウンド獲得も現実味を帯びてきた。観光で訪れる外国人とは違い、日本で生活する外国人の労働力はもはや助っ人の域を超え、レギュラーメンバーとして必要不可欠な存在になっている。こうした頑張りに、素直にエールを送りたい今日このごろである。
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