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No.48

栃木県、とちぎ企業立地・魅力発信セミナー開催、知事が立地呼びかけ


2018/8/28

福田富一知事
福田富一知事
 栃木県主催による「とちぎ企業立地・魅力発信セミナー」が、8月2日に東京都内のホテルで開催された。セミナーでは福田富一知事が自らプレゼンテーションを行い、栃木県への立地を広く呼びかけた。

 このセミナーでは、まず(株)SUBARU 常務執行役員 航空宇宙カンパニープレジデントの戸塚正一郎氏が「栃木から世界の空へ」のテーマで基調講演を行った。

 栃木県には、同社だけでなく、日産自動車、ホンダの拠点やサーキットのツインリンクもてぎなどがあり、自動車産業の集積が進んでいる。それだけでなく、陸上自衛隊のヘリコプター拠点基地である北宇都宮駐屯地があり、その周辺にはSUBARU航空宇宙カンパニーの拠点である宇都宮製作所本工場、南工場、南第2工場が所在。航空宇宙産業の拠点にもなっている。

 同社の航空宇宙カンパニーでは、防衛産業では戦後初のジェット機「T-1」をはじめ「T-5」「T-7」などの練習機を自衛隊に納入。500機以上のヘリコプターを宇都宮製作所で製造。また、無人機の製造も得意としており、15機種以上を開発している。

 旅客機の事業では、ボーイング向けが中心。SUBARUでは翼の製造を得意としており、主翼や尾翼に加え、左右の翼と胴体をつなぐ中央翼を多く手がけている。

 ヘリコプターの事業では、米国のベル社と共同で民間機を開発。この機体で型式認証を取得し、民間機として販売を開始するのと同時にこの機体をベースに陸自向けの「UH-X」を開発・生産し納入する。民間でも販売することから、戸塚氏は「ぜひ購入したいという方がいらしたら、声をかけてください。営業担当も本日来ております」と呼びかけて会場を沸かせた。

 同社では、無人機を得意としており、さらに自動車の技術もあることから、これを融合して次世代モビリティを開発することも検討している。戸塚氏は「栃木県は自動車産業も集積している。次世代モビリティが栃木県を中心に発祥するかも知れないと思う」と講演を締めくくった。

 知事のプレゼンテーションでは、まず栃木県は首都圏に近いということを強調した。東京から60~100kmに所在し、宇都宮は東京から新幹線で49分と通勤圏であると語った。

 栃木県は首都圏への食糧供給基地となっており、「食のオアシス」を標榜している。50年連続でいちごの生産量が日本一となっており、1月にはいちご王国を宣言した。また、優れた歴史・文化や豊かな自然環境なども誇っている。

 栃木県の県内総生産に占める製造業の割合は34.8%となっている。多種多様な産業が集積しており、近年では医薬・医療機器の集積も進んでいる。医療機器の生産金額は2013億円で、全国第2位となっている。

 圏央道の開通などにより、首都圏を経由せずに関西・東海地方に接続でき、羽田・成田の各空港へのアクセスにも優れている。大規模な地震や台風などの自然災害リスクも少なく、企業立地に最適だとしている。

 工業団地は、県の土地開発公社が上三川町に上三川インター南産業団地の整備を計画している。2019年度には造成を開始し、20年度には分譲を開始する。また、那須塩原市は那須高林産業団地の整備を計画している。19年度に分譲を開始する予定。オーダーメードの相談にも応じるとしている。

 立地企業への補助金も充実しており、最大で30億円と首都圏最高水準の補助金となっている。
 福田知事は「大きな可能性を持つ栃木県への立地、事業拡大を検討していただきたい」と語り、広く立地を呼びかけた。
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