電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第324回

(株)野毛電気工業 代表取締役社長 佐藤中則氏


外観検査装置は出荷実績40台
電源の磁性センサーも拡大期待

2019/5/24

(株)野毛電気工業 代表取締役社長 佐藤中則氏
 (株)野毛電気工業(横浜市金沢区福浦2-10-1、Tel.045-701-5810)は、1950年に特殊小型抵抗ランプの製造からその歩みを始めた。52年にはNECとの取引が開始され、これを契機に新規の製造技術に力を入れていくことになる。
 転機となったのは、72年にNECが九州に進出し、当時としては世界最大の半導体工場であった九州日本電気を設立したことである。野毛電気もこれに対応し、73年には熊本に新工場を立ち上げたのだ。最近では、半導体・電子部品へのめっきを中心とする表面処理に加えて、自動車、家電、医療、さらには宇宙防衛関連にも業務を拡大させている。代表取締役社長である佐藤中則氏に話を伺った。

―― 半導体めっきの歴史は半世紀に及びますね。
 佐藤 様々なめっきを手がけてきた。フープめっきは、独自のマスキング技術により高精度でコストメリットに優れる。リードフレームめっきはかつて盛んだったが、最近は量が減ってきている。ワイヤーめっきは、ボンディングワイヤーなど後工程向けに堅調に出ている。その他ではバレルめっきも扱っている。

―― 電子部品向けなども増えてきていますね。
 佐藤 難しいと言われる素材へのめっきについても野毛電気は多くの経験を積んできた。アルミナ基板、窒化ケイ素、マシナブルセラミックなどの焼結体関連へのめっきも得意としており、一方で、熱電素子などの機能製品などにも対応している。樹脂関連の微粒子めっきも手がけている。そしてまた最近では宇宙防衛関連にも開発が進んでおり、最も難易度が高いと言われるこのめっき技術に磨きをかけている。将来的には業績を上げていく新規分野として期待している。

―― 検査装置の製造販売にも乗り出しましたね。
 佐藤 野毛電気で使用するめっき設備はほぼ自社製作でやってきた。この技術を横展開するかたちで外観検査装置を、同業他社をはじめ、多くのお客様に販売している。赤外線を応用した検査装置であるが、大型の割にはシンプルな設計である。カスタマイズに優れ、ローコストであるため、ここにきて多くの引き合いをいただいている。これは熊本の工場で量産しており、これまでに40台くらいの出荷実績がある。

―― 磁性センサーも開発しましたね。
 佐藤 これは大学と共同で取り組んでいる新しい技術だ。電源を必要とせず、また回転数に依存することがない。何と5~10Vのパルス電圧を発生させることが可能なのだ。現在はガスの歯車式流量計などに利用されているが、今後は水道管漏れの検知、車載向け、ロボット向けなどに拡大していく。ほぼ無電源であり、ワイヤー加工のひねりを加えているところが技術のミソで、大化けする可能性は十分にある。

―― 人員および売り上げについては。
 佐藤 横浜事業部および九州事業部合わせて現状210人で動かしている。アウトソーシングは一切使っておらず、社員で固めている。女性は現状で40~50人といったところだが、今後は増やしていく計画であり、女性管理職も考えている。中高年活用にも積極的であり、65歳以上もかなりいるが、やはり熟練工の力は重要だと思っている。現在の年商は30億円程度だが、今後の製品に多くの期待ができることから、中長期的に40億円以上が十分に狙えるとみている。

(聞き手・特別編集委員 泉谷渉)
(本紙2019年5月23日号10面 掲載)

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